東京都が水素の運搬・貯蔵で、次世代高圧ガス容器やMCH都市部利用技術の開発・実証
「CubiTan(キュビタン)」のAtomisや高圧ガス工業、H2&DX社会研究所も参加
東京都は、水素の利活用に係る課題を解決する技術の研究開発・実証等を行うことにより、水素の更なる普及拡大を促進するため、2024年度より「東京における水素実装課題解決技術開発促進事業」を実施している。今回、2024年度の採択事業として東京都と共同で水素の運搬・貯蔵に関する技術開発等を行う企業を決定した。採択されたのは2事業で「次世代高圧ガス容器の実証及び同容器の導入にかかる検証等」と「MCHを用いた都市部における水素利用技術の開発等」。
優れた技術をもつ民間企業等と都が協定を締結し、共同で水素の普及拡大に向けた技術開発を行うもので、東京都の負担額は税込み1億円(最大)、実施期間は2024年度~2026年度まで。
「次世代高圧ガス容器の実証及び同容器の導入にかかる検証等」の代表企業は、TERBAIK株式会社と八千代エンジニヤリング株式会社(共同代表)。多孔性配位高分子PCP/金属有機構造体MOFをガス吸着剤とする次世代高圧ガス容器「CubiTan®(キュビタン)」を用いて水素の運搬・貯蔵の柔軟性向上等に向けた開発等を行う。構成企業として「CubiTan®(キュビタン)」の開発を行う株式会社Atomis(アトミス)が参加する。TERBAIK株式会社は、東南アジアでスマートガスネットワーク事業を展開することを目的として、八千代エンジニヤリングとAtomisが共同設立した会社(持株比率:八千代エンジニヤリング(66%)、Atomis(34%))。
「MCHを用いた都市部における水素利用技術の開発等」の代表企業は、新明和工業株式会社。常温・常圧で水素の輸送が可能なトルエンに水素を添加させた液体「メチルシクロヘキサン(MCH)」を用いた小型水素供給ユニットを開発する。同機器を用いた小規模サプライチェーンの実証や、都市部の屋内での同ユニットの稼働を想定し、小規模な飲食店での実証による課題検証を行う。構成企業として高圧ガス工業株式会社と、水素調理器の開発などを行う株式会社H2&DX社会研究所が参加、高圧ガス工業はMCHの製造、輸送、供給を担当し、H2&DX社会研究所は実証支援・各種水素新用途の開発を行う。