エア・ウォーター、産業ガスプラント・機器の総合エンジニアリング拠点『グローバルエンジニアリングセンター』を稼働開始
大阪府内3カ所に分散していた開発・エンジニアリング・オペレーション・メンテナンス機能を集約、プラント製作能力2倍へ
エア・ウォーターが堺事業所内(大阪府堺市)で建設を進めてきた産業ガスプラント・機器の総合エンジニアリング拠点『グローバルエンジニアリングセンター』が完成し、2025年4月7日から稼働を開始する(プラント製作工場は2025年5月7日稼働開始)。本センターは、グローバル戦略を担う総合エンジニアリング拠点として、国内外の拠点を有機的につなぎ人材・技術・情報等を集約、顧客に最適な製品やサービスをスピーディーに提供する。また、プラント製作工場の能力を2倍に拡大することで、エレクトロニクス分野の旺盛な産業ガス需要に対応するとともにインド・北米等の海外での競争力を強化する。
エア・ウォーターグループは、インド・北米における産業ガス事業や大手半導体メーカー向けのガス供給を基軸としたエレクトロニクス関連事業の拡大を進めている。インドでは経済成長と人口増加に伴い、製鉄所向けを中心に産業ガス需要が増加、世界最大の産業ガス市場である北米では安定した経済成長に伴い産業ガス需要も堅調に推移する見通し。エレクトロニクス分野では生成AI関連を中心に大規模半導体工場の新設・増強が進んでおり、今後も産業ガス需要の増加が見込まれる。
また、グループはガス供給だけにとどまらず、高純度ガス配管工事、化学品・特殊ケミカルの供給、非常用電源設備、ケミカルリサイクルなど半導体市場の成長を支える製品・サービス群を一括して提供し、半導体市場の成長を需要として取り込む。
こうした国内外の産業ガス需要の増加に対応、市場競争力を強化し事業を拡大するために、従来、大阪府内の3カ所(堺市西区、大阪市中央区、大阪市福島区)に分散していた開発・エンジニアリング(設計、調達、製作)・オペレーション・メンテナンス等の機能を「グローバルエンジニアリングセンター」に集約した。国内外のガス製造・エンジニアリング拠点を有機的につなぎ人材や技術・ノウハウ、市場動向や顧客ニーズ等の情報を集約・分析し相互に活用し、グループシナジーを発揮してエンジニアリング力向上を図り、最適な高品質の製品やサービスをスピーディーに提供する。
さらに、プラント製作工場を拡張し産業ガスプラント・機器の製造能力を約2倍に増強。大型プラントを海外等に海上輸送するために岸壁から直接船積みできるよう出荷設備も整備し、インド・北米等の海外向けやエレクトロニクス分野の旺盛な産業ガス需要に対応する。また、産業ガスプラントの「遠隔監視・支援センター」をリニューアルし、国内外の取引先に産業ガスを24時間安定的に供給するサービス体制も強化した。
グループでは、新製品開発・新規事業創出と次世代エンジニアの育成に向けて、イノベーション拠点の新設をはじめとした人的資本投資を行っている。本センターでは、エンジニアリング力の強化と次世代のグローバル人材・エンジニアの育成を推進し、海外展開やエレクトロニクス関連事業の拡大につなげるとしている。
グローバルエンジニアリングセンター概要
- 所 在 地 :大阪府堺市西区築港新町2丁6番地40
- 敷地面積:約26,450㎡
- 投 資 額 :約60億円
- 事務所棟
- 面積:(建設面積)約1,000㎡ (延床面積)約6,000㎡
- 建物構造: 鉄骨造地上6階建
- 稼働開始日:2025年4月7日
- 特徴:
- 従業員同士の顔が見える間仕切りのないフロア構成、多彩なミーティングスペースの設置により、プロジェクトのスムーズな連携と技術の高度化や業務効率の向上を図る
- カフェテリアやリフレッシュコーナーなど福利厚生エリアを充実
- 地震や津波に強い建物とし安全で働きやすい職場環境を整備
- プラント製作工場
- 面積:約5,655㎡(増築部は約1,848㎡)
- 建物構造:鉄骨造平屋建て(地上1階建て)
- 稼働開始日:2025年5月7日
- 製造品目:空気分離装置、水素発生装置、LNG供給機器など
- 事務所棟
【参考】エア・ウォーターグループのイノベーション・技術開発関連拠点
- 2019 年5 月、『国際くらしの医療館・神戸』(神戸市)をオープン。歯髄再生治療の研究開発及び普及事業を展開。2025年4月には同館内にエア・ウォーター再生医療研究所を設立。再生医療事業を拡大。
- 2023 年9 月、北大阪医療健康都市(健都)に『エア・ウォーター健都』(大阪府摂津市)を開業。
- 2024年12月、札幌市に北海道の社会課題を解決するためのオープンイノベーション推進施設『エア・ウォーターの森』をオープン。
- 2025年1月、神奈川県平塚市に半導体・電池材料の研究開発拠点『湘南イノベーションラボ』を開所。
- 2025年夏、長野県松本市に『地球の恵みファーム・松本』をオープン予定。「バイオマスガス化発電」「メタン発酵発電」「スマート陸上養殖プラント」「スマート農業ハウス」の構成。エネルギーの地産地消と資源循環モデルを実現。