レゾナックと川崎重工、川崎臨海部での水素発電の協業検討を終了
レゾナックが単独で検討を継続、川崎重工は液化水素サプライチェーン構築で水素需要家への供給目指す
レゾナックは、川崎重工と2023年10月に締結した「川崎地区の水素発電事業開発にかかる協業の覚書」(以下、本覚書)による協業検討を終了し、今後、レゾナック単独の取り組みとして検討を継続することで川崎重工と合意した。諸条件のスケジュールが事業計画に合わないことが理由としている。
両社は本覚書に基づき、国際液化水素サプライチェーンの確立が見込まれる2030年頃に、クリーンなエネルギーの電力市場への供給と、両社での活用による脱炭素化を目指し、川崎臨海部に立地するレゾナック川崎事業所(神奈川県川崎市)での水素発電の協業検討を行っていた。
レゾナックは、川崎臨海部のカーボンニュートラル化と産業競争力の維持・強化を目指す川崎市の「川崎カーボンニュートラルコンビナート構想」に賛同しており、引き続き同市や他の立地企業等と連携しながら水素を活用した発電事業等の検討を進め、川崎臨海部での液化水素サプライチェーン構築に貢献するとしている。
レゾナックは、上記取り組みを含めたGX(グリーントランスフォーメーション)関連施策の推進体制を強化するため、2025年7月1日付で基礎化学品事業部内に「GX戦略推進部」を新設。これにより、GXプロジェクトの一元管理と迅速な意思決定を通じて、取り組みをさらに強化するとしている。
これに対して、川崎重工では引き続き、川崎臨海部での液化水素サプライチェーン構築に向けて事業を推進し、レゾナックを含めた水素需要家への供給を目指すとともに、水素発電等の検討を進める。また、水素社会へのスムーズな移行に向けたトランジション・ソリューションとして、化石燃料由来の水素の普及の鍵となるCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage[CO2分離・回収・利用・貯留])事業にも積極的に取り組み、カーボンニュートラルの早期実現に貢献すると発表している。