Nippon Gasesがバイオエタノール由来の新CO₂精製工場をドイツ・Zörbigに開設

化石燃料に依存しない持続可能な生産体制を実現、CO₂発生源から精製・ドライアイス製造までを一拠点で完結し年間最大38万km分のトラック輸送を削減、約330トンのCO₂の排出削減

 日本酸素ホールディングスの欧州事業会社であるNippon Gases Euro-Holding S.L.U.(本社:スペイン、マドリッド。ラウール・ジュディチ 会長・社長)は、ドイツのザクセン=アンハルト州Zörbigに、Nippon Gases Germanyの最先端の炭酸ガス(CO₂)精製工場を新設し、2025年9月10日に開所式を行った。本プロジェクトには約3,000万ユーロ(約51億円、1ユーロ=170円で換算)を投資、ザクセン=アンハルト州経済省から370万ユーロの補助金支援を受ける。

Zörbigの新工場
Zörbigの新工場

 新工場では、Verbio SE社が隣接地で製造するトウモロコシや穀物由来のバイオエタノールの副産物として発生するCO₂を原料とし、食品グレードの液化炭酸ガスおよびドライアイスを製造する。これにより、従来の化石燃料を用いたCO₂生産に依存しない、持続可能な生産体制を実現した。また、CO₂の発生源から精製・ドライアイス製造までを一拠点で完結させることで、年間最大38万km分のトラック輸送を削減し、約330トンのCO₂排出削減にも貢献する。

 本工場で生産されるCO₂およびドライアイスは、炭酸飲料やビール、冷凍食品の製造・輸送、化学・半導体産業など、幅広い分野で活用される。バイオエタノール由来のCO₂を活用した今回のプロジェクトは、食品・モビリティ・農業分野の脱炭素化に向けた重要な一歩であり、日本酸素ホールディングスグループ全体でカーボンニュートラルの実現に向け、今後も生産・サプライチェーン全体の脱炭素化に取り組むとしている。

9月10日の開所式にはザクセン=アンハルト州経済・観光・農林省のステファニー・ペッチュ(Stefanie Pötzsch)次官(中央), 在ドイツ日本国大使館の志野光子特命全権大使(中央左)、Nippon Gasesのクリストフ・ラウメン(Christoph Laumen)ヨーロッパ中東部副社長(中央右)が出席
9月10日の開所式にはザクセン=アンハルト州経済・観光・農林省のステファニー・ペッチュ(Stefanie Pötzsch)次官(中央)、在ドイツ日本国大使館の志野光子特命全権大使(中央左)、Nippon Gasesのクリストフ・ラウメン(Christoph Laumen)ヨーロッパ中東部副社長(中央右)が出席