エア・ウォーター、産業・医療ガスを2026年1月1日出荷分から10%以上値上げ

対象製品はエアセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン、溶接用シールドガス「エルナックス」)、炭酸ガス、レアガス、水素ガス、ダイサイドなど

 エア・ウォーターグループは安定供給体制を維持するため、2026年1月1日出荷分から、産業・医療ガス製品の価格を現行価格に対し10%以上値上げする。対象となる製品は、エアセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン、溶接用シールドガス「エルナックス」)、炭酸ガス、レアガス、水素ガス、ダイサイドなど。
 近年、円安による為替動向や地政学的リスクの高まりにより、電気料金をはじめとしたエネルギーコストは依然として不安定な状況が継続。また、部材費や人件費の断続的な上昇に伴い、各種ガス等の安定供給を維持するために必要なガス製造・供給設備や輸送車両の維持コストの増加が続いているほか、2024年4月に施行された働き方改革関連法への対応に伴い、各種ガスの物流コストが当初の想定以上に増加している。
 さらに、炭酸ガスをはじめとした一部の産業ガス製品では、石油化学や鉄鋼をはじめとした国内産業構造の変化により原料ガスの不足や製造・供給拠点間の長距離輸送が恒常化しているほか、安定供給を維持するために海外からの輸入対応が必要となっており、製造・調達・輸送コストが大幅に増加した。
 エア・ウォーターでは、これまでも製造・物流等の合理化を進めコストダウンに努めてきたが、外部環境の変動によるコストの上昇は企業努力で吸収できる範囲をはるかに超えており、安定供給を継続するためにも、価格改定を実施するとしている。