大陽日酸が東邦ガスとCO2回収システム開発で提携

CO₂濃度20%未満の排出源から高濃度CO₂を回収可能

 大陽日酸は東邦ガスと提携し、両社が保有する CO₂分離回収技術を組み合わせた一体型システムの開発を開始する。従来は対応が難しかった低濃度領域からの CO₂回収を可能とし、多様な排出源に適用可能な CO₂回収ソリューションの拡充を目指す。
 東邦ガスが開発する「低濃度の CO₂を中濃度(約 20~40%)まで濃縮する膜分離装置」と、大陽日酸が実用化している「中濃度の CO₂から高濃度 CO₂を回収する PSA 方式のCO₂回収装置」を組み合わせることで、原料 CO₂濃度が従来よりも低い5%~20%の領域においても高濃度での CO₂の回収を可能とするシステムの製品化を進める。

 大陽日酸は、石灰焼成炉などの CO₂排出源(濃度 20~40%)を対象に、PSA 方式で CO₂を回収する装置を製品化※1しており、適用可能な原料 CO₂濃度範囲を 20~60%に拡大するなど※2、産業界の脱炭素ニーズに応えるソリューションを提供している。大陽日酸によると発表以降、 CO₂濃度が 20%未満の排出源を有する顧客からも、多数の問合せや引き合いがあり、より低濃度の排出ガスに対応した新たなシステムへの対応が望まれていた。
 一方で、東邦ガスは、ボイラ排ガスなどに含まれる低濃度の CO₂を 20~40%の中濃度まで濃縮可能な膜分離装置(分離膜モジュールおよび周辺機器・前処理機器等)の開発を進めている。今回の提携では、東邦ガスの膜分離装置で、低濃度(約 5~20%)の CO₂を中濃度(約 20~40%)まで効率的に濃縮し、大陽日酸の PSA 方式 CO₂回収装置により、その中濃度の CO₂から高濃度の CO₂を回収する、という二段階プロセスを構築する。

※1:2023 年3月 31 日ニュースリリース「4月から 10 トン/日規模の CO2 回収装置を販売開始」

※2:2024 年4月 17 日ニュースリリース「CO2 回収装置の適用可能な原料 CO2 濃度範囲を拡大」

 大陽日酸では、東邦ガスとの協働を通じて、CO₂濃度 5%~60%という幅広い排出源を対象とした新たな CO₂回収システムの実現とともに、実機条件での性能検証や運転データの収集を行い、低濃度排ガス向け CO₂回収システムの早期実用化を目指す。また、産業ガスメーカーとして長年培ってきた技術と実績をベースに、顧客の CO₂排出特性に合わせた最適な回収システムを提案し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。