大陽日酸、名古屋工業大学と共同研究契約締結
大陽日酸は、国立大学法人名古屋工業大学と2013年10月1日付で「大口径 Si 基板上の GaN の成長技術及びデバイス評価技術に関する研究」の共同研究契約を締結した。本共同研究は、大陽日酸が名古屋工業大学の「窒化物半導体マルチビジネス創生センター」へ納入した有機金属気相成長(MOCVD)装置を使用して行う。
ガリウムナイトライド(GaN)系電子デバイス研究の第一人者である名古屋工業大学の江川孝志教授らが開発した「シリコン(Si)基板上にガリウムナイトライド(GaN)結晶を成長する技術」を核に窒化物半導体パワーデバイスの実用化および事業化に向けた研究開発推進拠点「窒化物半導体マルチビジネス創生センター」が2013年9月1日に発足し、9月20日に開所式典が行われた。
当センターにおいて、産学官が連携して「一つ屋根の下」型で研究開発プロジェクトを推進。国内の装置・材料・デバイス関連など多くの企業が参加し、大陽日酸はMOCVD 装置を用いた気相成長工程での特性評価を担う。
【窒化物半導体マルチビジネス創生センター】
住所:〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町
参加企業等:大陽日酸株式会社含む 12 社及び 1 研究機関
名古屋工業大学と大陽日酸は、2011年から Si 基板上に GaN 結晶を成長する技術について共同研究を行ってきた。これまでの共同研究では、Si 基板のサイズは 4 インチもしくは 6 インチを主に取り組んできたが、当センター創設を機に 8 インチ基板での量産化に、より重点を置いた共同研究にステップアップする。当センターが有する、後工程を含めた 8 インチ GaN 電子デバイス試作に対応できる世界で唯一の設備を使用することで、デバイスのパイロット生産及び、実践的な実証確認が可能になる。
本共同研究および当センターでのプロジェクトを通じて、量産型 MOCVD 装置関連のデータ集積を図るとともに、マーケット情報の収集、参加企業との関系を深めることにより、従来の LED 製造用途に加え、パワーデバイス製造用途での MOCVD装置の市場拡大を目指す。