岩谷産業、九州初の商用水素ステーション「イワタニ水素ステーション小倉」をオープン

 岩谷産業は、2015年度に一般販売が予定されている燃料電池自動車(FCV)や今後普及が期待される燃料電池バスに水素を供給するためのインフラ整備に取り組み、九州で初めてとなる「商用水素ステーション」を福岡県北九州市に完成し、2014年10月22日、関係者を招いて開所式を行った。
 本ステーションは、岩谷産業の水素製造拠点である岩谷瓦斯佐賀工場(佐賀県佐賀市)から輸送した圧縮水素を利用し、燃料電池自動車に供給する「オフサイト方式」を採用した。

 

名    称 : イワタニ水素ステーション 小倉
所在地 : 福岡県北九州市小倉北区高浜1丁目4-30
(株式会社ホームエネルギー九州 小倉センター内)
敷地面積 : 530.3㎡  (約160坪)
水素供給 : 圧縮水素オフサイト供給
充てん方式 : 差圧充てん
(蓄圧器とFCVなどの車載水素タンクとの圧力差で圧縮水素を充てんする)
供給能力 : 340N㎥/h (1時間当たり6台の満充てんが可能)
充てん圧力 : 70MPa(メガパスカル)〈=700気圧〉
充てん時間 : 3分以内/台 (空から満充てんまで)
設備構成 : 水素カードル、ドイツ・リンデ社製水素圧縮機(IC-90)、蓄圧設備、ディスペンサーなど
システムフロー :  
特    長 : 1) 九州初となる商用の水素ステーション
2) ドイツ・リンデ社製水素圧縮機を使用
3) 「環境未来都市」構想を掲げる北九州市に建設

 

 【岩谷産業の取り組み】

 水素エネルギー社会の到来を見据え、2011年1月、自動車メーカー3社と岩谷産業を含むエネルギー企業10社の合計13社が、「2015年の燃料電池自動車の一般発売開始と水素ステーション100ヶ所の先行整備」に関する共同声明を発表。岩谷産業は2015年度までに東京、名古屋、大阪、福岡の4大都市圏を中心に、20ヶ所の商用水素ステーションを自社設置することを表明し、順次建設を進めている。「イワタニ水素ステーション 小倉」は、7月14日に開業した「イワタニ水素ステーション 尼崎」に次いで2番目の商用水素ステーションであり、九州で初めての商用水素ステーションとなる。

 岩谷産業は1941年以来水素を取り扱い、工業用圧縮水素・液化水素については製造から輸送・貯蔵・供給・保安まで一貫した全国ネットワークを築いている。また国家プロジェクトや地域実証などにおける水素ステーションの建設・運営で得た知見や技術を、水素に関するリーディングカンパニーとして水素供給インフラの基盤確立に注力する。
 「イワタニ水素ステーション 小倉」は九州で初めての商用水素ステーションとして、また、いよいよ目前に迫った燃料電池自動車の一般発売と時期を同じくすることで、水素エネルギー社会へ向けて歴史的な第一歩を踏み出す。

イワタニ水素ステーション 小倉