大分サンソセンターでの放液溜破裂事故調査結果報告(第四報)
大陽日酸は、2014年12月12日に発生した大分サンソセンターにおける事故につき、事故調査委員会及び事故対策審議会で原因究明と再発防止策の策定を行い、関係行政機関への報告を完了した。
【事故の概要】
発生事業所: 株式会社大分サンソセンター
発災設備: No.3 放液溜
発災日時: 2014 年 12 月 12 日(金) 午前9時6分破裂(午前8時放液開始)
人的被害: なし
物的被害: 放液溜全体が破裂(関連配管破損)、周辺設備の液化装置の破損によるパーライト(粉末断熱材)噴出、約 650 メートルの範囲に破片が飛散(製鐵所構外に飛来・物損)
【破裂した放液溜の概要】
放液溜は空気分離装置等から液化ガスを放出する際に、設備や地面等に直接接触することを防ぐ目的で設置される。
型式: 自然蒸発式 大気開放型 ステンレス製円筒型容器
形状: 直径 4,000mm×高さ 6,000mm×肉厚3mm(胴部)
液入口配管: 200A
放出管(ガス出口) 外径: 1,016mm×肉厚6mm
製造年月: 1977 年 2 月
【事故原因の推定】
放液溜に水が相当量滞留していた為、低温の液化ガスが放液溜に放液された際に氷が生成され、その氷が液化ガスを閉じ込めたことで内圧が上昇し破裂に至ったと推定。
【再発防止対策】
大分サンソセンター及び大陽日酸では、以下の通り再発防止策を実施する。
●大分サンソセンターの取り組み
(1) 設備管理・作業管理・運転管理
・ 放液溜の確実な水抜きとルール化を行う。
・設備及び作業手順の総点検を行う。
・ 管理基準を整備し、作業手順等に作業目的を加味する。
(2)人材・教育
当該事故について、全従業員への教育を行い、日常的な安全活動の推進によ
りリスク感性の向上を図る。
●大陽日酸の取り組み
(1)関連事業所の総点検
・ 放液溜の内部点検を実施し(完了)、作業手順の見直しを行う。
・ 工場管理機能のチェックを徹底する。
(2)放液溜の設計への反映など
(3)納入先ユーザー及び他社装置メーカーへの水平展開