岩谷産業、ミャンマーで工業ガス・ＬＰガス事業に参入、工業ガスメーカーとして初進出
岩谷産業は、ミャンマー・ヤンゴン市から23kmに位置するティラワ工業団地において工業ガス事業、およびLPガス関連事業を行うことを決定し、25,000㎡の用地確保の契約をした。現地での会社設立は２０１５年8月、操業開始は2018年3月を予定する。
去る2月15～21日に実施された関西経済連合会による「関経連 ミャンマー・カンボジア使節団」に、一員として岩谷産業の牧野明次会長兼CEOが参加し、テイン・セイン大統領と会見したことを皮切りに、カン・ゾー国家計画・経済開発大臣より岩谷産業に対し、工業ガスに関する進出の要望があり、それを実現させるべく決定された。
岩谷産業は、現在60ヵ所の海外拠点を有しており、ASEAN地区では6ヵ国15拠点、今回のミャンマー進出は7ヵ国目となる。また工業ガスでは、中国を中心に展開してきたエアセパレートガス事業の知見とノウハウを生かし、ミャンマー市場で拡大展開を図る。
ミャンマーは、2011年3月の現テイン・セイン大統領の新政権誕生後、民主化への歩みを加速してきた。2013年度実質GDP成長率は7.5%と高い経済成長を維持し、5千万人を超える人口、広大な国土、廉価で質の高い人材、豊富な資源を有する同国はアジア最後のフロンティアとして世界各国から注目が集まっている。
岩谷産業が進出するティラワ経済特区は、日本政府からの円借款を受けてインフラ整備が行われる。豊富な労働力および市場へのアクセスの良さが利点であり、ミャンマー政府は優先的かつ早期に開発を推進する意向を表明している。また、ティラワ港にも隣接し、輸出加工拠点にとどまらず、ミャンマー内需向けの生産拠点としても優位な立地にある。
新会社は、工業ガス製造のための空気分離装置(ASU)を建設し、ティラワ工業団地内に進出している企業、および近隣工業団地進出企業を対象に工業ガスの供給を行う。
また、工業ガス供給にかかわるインフラ事業、溶材関連事業、そしてLPガス関連事業についても同様に展開を図る。
【 事業計画 】
（１）産業ガス事業
- ASU事業(酸素、窒素、アルゴン)
- シリンダー事業(酸素、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム、医療用ガスほか)
- インフラ事業(工業ガス供給設備などの販売)
- 産業用資機材事業(溶接機、溶接材料、コンプレッサー、ボイラーなど機材の販売)
（２）総合エネルギー事業
- LPG販売
- LPG供給設備工事、LPG容器検査など
