日本エア・リキード、九州の水素モビリティー発展に向け 「福岡宮田水素ステーション」開設

 日本エア・リキードは福岡県宮若市に「福岡宮田水素ステーション」を竣工し、開所式を行った。

 同社が直接運営する商業用水素ステーションとしては愛知県の2カ所(豊田通商との合弁事業)、佐賀県の1カ所に続いて4番目となる。「福岡宮田ステーション」は九州自動車道宮田スマートICに隣接するトヨタ自動車九州宮田工場敷地内という立地をいかし、福岡市と北九州市をつなぐ九州における水素モビリティー重要拠点となることをめざす。

 ステーションは日本エア・リキードが設計・設置したもので、燃料電池車一台あたり3分以内で充填可能。ステーション建設にあたっては、経済産業省と福岡県から初期設備投資への助成を受けるとともに、福岡県から指定された「グリーンアジア国際戦略総合特区*」の指定法人として、税制優遇措置を受ける。営業開始は3月28日(火)午後1時を予定。

 エア・リキード グループは水素ガスの製造・貯蔵・運搬から使用方法に至る幅広い知見と経験、および全世界75カ所以上の燃料電池車向け水素ステーション設置の実績を持っている。2017年1月から関連する主要グローバル企業13社で立ち上げられ、新エネルギーとしての水素利用への移行に向けた長期ビジョンの提唱をめざす「水素協議会(Hydrogen Council)」において、トヨタ自動車と共同議長会社を務めるなど、日本や世界各国における水素モビリティー技術の発展と普及に主導的な役割を果たす。

 日本エア・リキードの矢原史朗社長兼CEOは「福岡宮田水素ステーション開所にあたり、経済産業省、福岡県、宮若市、ならびに地域関係者の皆様には、多大なご支援を賜り感謝申し上げます。土地を貸与していただきましたトヨタ自動車九州様には、さまざまなご助言やご協力を賜り、大変心強く感じております。未来に向け新ステーションが九州における水素社会発展の中心地のひとつとなるよう、地域社会の皆様との共生を図りながら、エア・リキードグループの持つ経験とイノベーションを発揮してまいる所存ですとコメントしている。

*「グリーンアジア国際戦略総合特区」:国から指定を受けた「国際戦略総合特区」のひとつとして、福岡県、北九州市、福岡市の3自治体がアジアへの隣接性を活かし、「環境配慮型製品の開発・生産拠点の構築」や「資源リサイクル等に関する次世代拠点の形成」などをめざすもの。


FCVへの充填セレモニーの様子:左から日本エアリキード矢原史朗代表取締役社長、小川洋福岡県知事