岩谷産業、国内初の重水素ガスの商業生産および販売を6月開始
岩谷産業は、国内初となる重水素ガスの商業生産および販売を 6 月より開始した。商業生産に向けて中央研究所で研究を重ね、安定した品質の重水素ガスの製造技術を確立した。
重水素ガスは、産業用で広く使用されている水素ガスの同位体で、現在、半導体や光ファイバーなどの製造工程で使用されている。例えば、スマートフォンなどの電子機器類の大容量化・高速化などの高機能化に伴う、半導体の高性能化に重水素ガスが欠かせない。また現在、製薬など新たな分野での使用の研究が盛んに行われている。
需要の拡大が見込まれる重水素ガスだが、国内への供給は、その全量を米国などからの輸入に頼っている。今後、世界的な需要の拡大も見込まれることから、重水素ガスの調達リスクが高まることも予想される。
岩谷産業は、国内初となる重水素ガスの商業生産を開始することにより、一層の安定供給を実現する。アジア唯一の商業用液化水素製造者として培ったノウハウを活用し、安定した品質の重水素ガスの製造を通じて、その安定供給に貢献する。
【重水素ガスの概要】
製品荷姿: 47L シームレス容器
内容量 :7,000 L 充填
純度 :99.995%以上
同位体濃縮度*: 99.8 atom%以上
*同位体濃縮度 … D/(D+H) (D:重水素ガス濃度、H:水素ガス濃度)
【製造の概要】
製造拠点 :兵庫県尼崎市次屋 3 丁目 3 番 16 号 岩谷産業株式会社 中央研究所
製造能力 :年間 2,000 kL
製造開始 :2018 年 6 月