エア・ウォーターと歯愛メディカルが歯髄幹細胞を活用した歯髄関連事業で連携

エア・ウォーターは、歯髄幹細胞を活用した歯髄関連事業を企画・推進するための子会社であるアエラスバイオを設立し、事業化に向けた取り組みを開始した。また、エア・ウォーターと歯愛メディカル(代表取締役社長 清水 清人)とは、2019年3月中にアエラスバイオが行う第三者割当増資を歯愛メディカルが引き受ける方法で、新会社に対するエア・ウォーターの出資比率を70%、歯愛メディカルの出資比率を30%とすることについて合意した。

エア・ウォーターの医療関連事業は、医療用ガスをはじめ、病院設備や医療機器、病院業務のアウトソーシング受託といった医療機関向けのビジネスを中心に成長してきたが、近年では、こうした高度医療分野にかかる事業基盤を強化する一方で、高齢化社会の進展とあいまって今後の成長が期待できる「くらしの医療」分野への事業領域の拡大にも注力している。
こうした成長戦略に基づき、エア・ウォーターは2011年に歯科用機器、理化学機器の製造・販売を行う株式会社デンケン(現 デンケン・ハイデンタル株式会社)を子会社化して歯科事業に本格参入し、2016年には歯愛メディカルの株式40%を取得し、同社に資本参加した。

一方、歯愛メディカルは、歯科医師として30数年の経験を有するの清水清人代表取締役社長が創業した歯科クリニック向け歯科診療用品全般の通信販売最大手で、3万点を超える豊富な歯科診療用品を取り揃え、歯科医院、介護施設、動物病院、医科クリニック向けの通信販売によって急成長を果たしてきた。近年では、調剤薬局に向けたジェネリック医薬品の取扱いを開始するなど、事業領域を医療分野に拡大することを目指している。

口腔の健康は健康寿命を伸ばすことにも繋がると言われており、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という趣旨の『8020運動』が提唱されるなど自己の歯の延命化への関心が高まっている。近年、虫歯や歯髄炎等により歯を喪失した場合の新たな治療方法として、自己の歯(歯髄組織)を用いた再生医療による治療法の臨床研究が進められている。
歯髄組織は、患者に大きな負担をかけることなく、乳歯あるいは第三大臼歯(親知らず)などの不要歯から採取することができ、その組織は、血管と神経を作るのに有利な幹細胞が多く含まれていることから、非常に有意に血管新生・神経再生・歯髄再生を促進することが期待される。

エア・ウォーターは、2018年4月より歯髄細胞の取り扱いに関する共同研究を国立研究開発法人国立長寿医療研究センターとの間で開始するとともに、歯髄細胞を取り扱うための細胞加工設備の建設計画も進めている。また、将来的には、歯髄再生治療技術に関しての研究開発に取り組む予定。

新会社となるアエラスバイオは、洗口剤などの口腔ケア商品の開発・販売、歯髄幹細胞加工製品(培養、保管、輸送等)事業に参入するための準備を進めるとともに、歯科医院、口腔外科の患者から自己の不要歯の提供を受け、歯髄幹細胞の研究を進め、3年後の2021年に歯髄関連事業の事業化を行う。
本歯髄関連事業の事業化においては、歯愛メディカルの顧客である国内6万施設の歯科医院や口腔外科とのネットワークとエア・ウォーターグループの研究開発力を最大限に活用する。

【新会社の概要】

会社名 :アエラスバイオ株式会社 (英語表記:Aeras Bio Inc.)
※社名は、「エア」のラテン語「アエラス」に「生体=バイオ」を掛け合わせたものを意味する。
所在地 :兵庫県神戸市中央区 港島南町1丁目6番地5
代表者 :代表取締役社長 菊地 耕三
事業内容:歯髄幹細胞加工製品(培養・保管・輸送等)事業、口腔ケア商品の開発・販売
資本金 :10百万円 (エア・ウォーター 100%)
設 立 :2018年8月1日(水)
従業員 :5名