岩谷産業、中国でエアセパレートガスと水素ガスの新プラントを建設
岩谷産業の連結子会社である嘉興岩谷気体会社(本社:中国浙江省嘉興市、以下嘉興岩谷)は、同社敷地内に 2021 年 5 月の稼働を目標にして、エアセパレートガス、および水素ガスの新プラントを建設する。投資額は約 30 億円になる見通し。
嘉興岩谷は主に中国華東地区で岩谷産業グループのガスの製造を担う会社。空気分離装置(ASU)を所有しており、エアセパレートガスと呼ばれる酸素・窒素・アルゴンの製造・販売を行うほか、炭酸ガス、ヘリウムについても製造・販売を行っている。
既設の空気分離装置(左・右上)とヘリウムセンター(右下。 嘉興岩谷気体会社内)
旺盛な中国国内需要を背景に、嘉興岩谷ではエアセパレートガスの販売数量が年々伸長しており、既存の ASU の製造能力を超える水準に達していた。今後も増加する需要へ対応するため嘉興岩谷の敷地内に新たに ASU を増設し、華東地区を中心に販売を行う。今回の増設によりエアセパレートガスの製造能力は約 2.5 倍になる。
水素ガスについては、これまで中国の水素メーカーより調達し中国国内で販売を行ってきた。昨今の販売数量増加を受け、今後は価格競争力や安定供給の観点から、嘉興岩谷にて嘉興市内の新たな土地に水素工場を建設し、圧縮水素の形態で華東地区を中心に販売を行う。
今回の投資により、嘉興岩谷は幅広いラインナップを持つ総合ガスメーカーとなり、様々なガスの総合提案を行うことで伸長する中国国内需要を捉え、中国事業の拡大を図る。
■嘉興岩谷気体会社
- 本社 :中国浙江省嘉興市
- 総経理 :園田正樹
- 事業内容:酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、ヘリウムなどの製造・販売
■空気分離設備(ASU)
- 製造能力 :9,000m3/hr(製造品目;酸素、窒素、アルゴン)
- 稼働予定 :2021 年 5 月予定
■水素工場
- 設備概要 :充填圧縮機/ダイヤフラム式、出荷形態/トレーラー、カードル
- 稼働予定 :2021 年 5 月予定