大陽日酸、米国3Dプリンターメーカー「Velo3D社」と業務提携し販売権を獲得

 大陽日酸は、米国カリフォルニア州の3Dプリンターメーカーである Velo3D, Inc.(以下 Velo3D 社)との戦略的な業務提携により、同社製品の日本における販売権を獲得した。

 Velo3D 社は 2014 年に設立された米国の3Dプリンターメーカーで、Powder Bed Fusion 方式(※)の「Sapphire(製品名)」を開発し上市しており、3Dメタルプリンターの市場で急激に業績を伸ばしている。

(※) Powder Bed Fusion 方式:金属粉末を敷き詰め、熱源となるレーザや電子ビームで造形する部分を溶融・凝固させる方法で、複雑な形状の部品を精度高く製造する分野において強みを持つ。

 今回の Velo3D 社製品の販売権獲得により、大陽日酸は日本の販売網を通じて、同社製品を航空宇宙産業や自動車産業向けの市場を中心に販売するとともに、同分野向けの産業ガス事業とのシナジー効果の創出を目指す。

 また、大陽日酸が持つ溶接プロセス、金属熱処理を含めたガスアプリケーション技術を通じて、3Dメタルプリンターを使用するユーザーのコスト削減や生産合理化などの問題解決に貢献する。山梨研究所には3Dプリンティングの専任技術者を配置、Velo3D 社の Sapphire を導入し、技術サポートやデモンストレーションサービスを行う。

 大陽日酸は、新中期経営計画「Ortus Stage 2」のイノベーション戦略に基づき、アディティブ・マニュファクチャリングをターゲット領域とし、これまで、3Dメタルプリンター、金属パウダー、熱処理、雰囲気ガスの最適化をキーワードに、提携等による高付加価値製品並びに差異化製品の取り込みを推進している。

 今後も主にグローバル市場において、このようなベンチャーとの提携等を、エネルギー分野、ガスアプリケーション分野、エレクトロニクス分野等で積極的に行い、新規製品・ 新規技術を獲得し事業ポートフォリオの拡充を進めるとしている。

Velo3D 社概要

  • 社 名:Velo3D, Inc.
  • 本社及び工場:米国カリフォルニア州
  • 設 立:2014年
  • 代 表 者:Benny Buller 氏