岩谷産業、豪州電力会社Stanwell社とグリーン水素製造・液化・輸入事業化に向けた検討開始

オーストラリア・クイーンズランド州で再生可能エネルギー由来の水素製造を計画

 岩谷産業は、将来の大規模水素サプライチェーンの構築に向け、豪州電力会社であるStanwell社とのグリーン水素製造・液化・輸入事業化に向けた検討を開始する。本検討では、オーストラリア・クイーンズランド州において、太陽光・風力などの再生可能エネルギー由来の水素を製造を計画する。製造したグリーン水素は液化製造プラントで液化し、大型の液化水素船で日本に輸入する。

 Stanwell社はクイーンズランド州政府が直営する同州最大の電力会社であり、電力の送配電事業を行う。Stanwell社の保有するノウハウや既存リソースを活かし、商用化に向けた検討を開始する。

 世界的な環境意識の高まりを背景にし、グリーン水素エネルギーの利活用が期待されている。岩谷産業は日本政府が宣言したカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、海外で大量且つ安価な液化水素を確保し、究極のクリーンエネルギーである大規模な水素利活用の社会実装を具現化することで、社会貢献に努める。

 岩谷産業は、1941年に水素の取り扱いを開始して以来、製造から輸送・貯蔵・供給・保安まで一貫した全国ネットワークを築いてきた。2006年に大阪府堺市に国内で初めての液化水素製造プラントを建設し、現在では年間1億2,000万㎥(3拠点・6プラント)の液化水素製造能力を有する日本で唯一の液化水素サプライヤーとなる。また、全国に10カ所の圧縮水素工場も保有しており、圧倒的に優位な事業基盤を活かし、日本での水素市場シェアは70%におよぶ。水素のリーディングカンパニーとして、これまで培ってきた技術やノウハウを活用し、今後も水素エネルギー社会の実現に向けた取り組みを進めるとしている。