日本エア・リキード、伊藤忠商事グループと水素バリューチェーン構築で戦略的協業

日本への水素輸入を視野に入れた国際水素バリューチェーン構築を目指す

エア・リキード川崎水素ステーション

 伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下 、伊藤忠商事)と仏エア・リキード(以下、エア・リキード)の日本法人である日本エア・リキード合同会社(本社:東京都港区、社長兼CEO:ヴィルジニー・キャヴァリ、以下、日本エア・リキード)、および伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡田賢二、以下、伊藤忠エネクス)は、低炭素水素の製造から活用まで上流から下流を網羅する水素バリューチェーン構築に関する戦略的な協業に合意し、3社間での覚書を締結した。

 3社は、まず大都市圏における地産地消モデルを念頭に、競争力のある水素の製造・供給、水素ステーション事業の拡充を共同で検討し、モビリティー市場を含む産業向け水素市場の拡大に貢献する。また、この協業をさらに発展させ、国内外での水素事業を推進し、将来的には日本への水素の輸入を視野に入れた国際水素バリューチェーンの構築を目指す。

 日本国内においては2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が公表され、その中でも水素は幅広い用途が期待されるカーボンニュートラルのキーテクノロジーとして、様々な分野の脱炭素化に寄与していくことが期待されている。またトラック等の商用の燃料電池車は、輸送分野において水素利活用が期待される領域として、特に注目されている。政府は2035年までに、新車販売で電動車※1100%を実現する方針を明らかにしており、今後は燃料電池車の普及に拍車がかかることが期待されている。

 この大きな潮流を踏まえて、生活消費関連分野を中心とした伊藤忠商事の幅広いネットワークに加えて、国内最大手のエネルギー商社である伊藤忠エネクスの顧客基盤とエネルギー流通体制を活用し、グループとしての総合力を発揮し、水素市場の開拓を推進する。

 エア・リキードは、ガス国際メジャーの一角で、Hydrogen Council(水素協議会)※2の共同議長を務める等、水素利活用を推進するグローバルリーダーとしての地位を確固たるものにしている。また日本エア・リキードは1907年に日本に進出して以来、産業・医療ガス及び関連機器・サービスを多様な業種に供給している。
 

※1 電動車:電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車及びハイブリッド車
※2 水素協議会:エネルギーの移行に資する水素について、統一した長期的なビジョンを持つ大手エネルギー、輸送機器、産業の企業によるグローバルなイニシアチブであり、2017年1月にダボスで開催された世界経済フォーラムで発足した。現在のメンバーは100社を超えており、トヨタ自動車、3M、Airbusなど世界を代表する企業が参画する。