日本パイオニクス、半導体製造プロセス用ガス精製装置製作の新棟を建設
半導体メーカーの生産増強と製造設備の大型化に対応、製作能力1.6倍へ
エア・ウォーターグループで、ガス精製装置や排ガス処理装置の製作・販売を行う日本パイオニクス株式会社(代表取締役社長:荒川 秩(さとし)、本社:神奈川県平塚市、以下「日本パイオニクス」)は、半導体メーカーの生産能力増強と製造設備の大型化に対応するため、同社の平塚工場内にガス精製装置を製作するための新棟を建設する。新棟の着工は2022 年4 月、完工は2022 年11 月の予定。
エア・ウォーターの産業ガス関連事業は、市場規模が急拡大するエレクトロニクス関連領域を今後のさらなる事業成長の牽引役と捉え、国内で進行する大手半導体メーカー各社の生産増強に対応して、半導体の製造プロセスに不可欠な窒素ガスをパイプライン供給するため、過去に例のない規模となる大型オンサイトプラントの建設を進めている。また同時にガス精製装置、半導体製造装置用の電熱ヒーター機器、特殊ケミカル材料やその供給機器といった周辺分野の事業領域を合わせて拡大し、エレクトロニクス分野において世界のガスメジャーに比肩するポジションの獲得を目指している。
日本パイオニクスは、1962 年の創業以来、高度な触媒・吸着技術を活かし、半導体の製造工程において不可欠なガス精製装置や排ガス処理装置の製作・販売を行っており、日本をはじめ台湾、中国、米国など世界の半導体メーカーに豊富な納入実績を有する。中でも、各種ガスの純度を高める常温吸着式精製装置「VPE シリーズ」は、世界最高水準のガス精製技術と環境・安全性能を兼ね備えた装置であることから高い評価を受けている。
昨今、全世界的に半導体工場の新設や拡張が相次いで計画され、同時に製造設備の大型化も進んでいる。これに伴い、日本パイオニクスが製作するガス精製装置においても、大型装置の需要が急速に高まっているため、それに対応した新棟を建設し、より効率的なガス精製装置の製作体制を構築する。新棟の稼働により、ガス精製装置の製作能力は現行比1.6 倍を見込む。
今年 8 月、エア・ウォーターグループの日本電熱株式会社(長野県安曇野市)が、国内大手半導体製造装置メーカー向け熱制御機器の製造に特化した新棟を安曇野本社工場内に建設することを発表している。本件はこれに続く半導体製造関連向けの機器事業の設備投資となる。
建設する新棟の概要
- 所在地:神奈川県平塚市田村3-3-32
- 面積:延床面積820 ㎡
- 構造:鉄骨造 平屋建
- スケジュール:着工2022 年4 月、完工2022 年11 月末(予定)
- 投資額:約4 億円(製作設備を含む)
日本パイオニクス株式会社の会社概要
- 会社設立 : 1962 年7 月
- 資本金 : 3 億円
- 代表者 : 代表取締役社長 荒川 秩(さとし)
- 売上高 : 約50 億円(2021 年度 見込み)
- 従業員数 : 109 名(2021 年3 月末現在)
- 株主 : エア・ウォーター株式会社 100%
(参考)ガス精製装置について
半導体の製造工程において、用途に応じた材料ガス・キャリアガスが使用されるが、その中に含まれる不純物を除去し、ガスを高純度に高めるために使用される。
日本パイオニクスでは、創業時の特許技術であるパラジウム合金膜透過式水素精製装置をはじめとして、常温吸着式、深冷吸着式、ゲッター式などの精製ガス種、除去不純物に応じた各精製方式と小流量から大流量に対応した幅広い製品を取り揃える。
また、半導体製造プロセス排ガスを無害化し安全に排出するための各種排ガス処理装置及び、これら排ガス処理装置で使用される有害ガスの除害剤、除去触媒の製造販売事業も行っている。