岩谷産業と相馬ガスが共同で、国内初の水素とLPガス混合導管供給を検討

福島県南相馬市内の約 500 戸を対象にした実証試験を目指す

 岩谷産業は、相馬ガスホールディングス株式会社(本社:福島県南相馬市、社長:渋佐 寿彦、資本金 9,500 万円)、相馬ガス株式会社(本社:福島県南相馬市、社長:今津 健充、資本金,3,000 万円)と共同で、水素・LP ガス混合ガスの導管供給に向け、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開
発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」に応募し、採択された。(テーマ名:
水素混合 LP ガスの供給利用に関する調査)

 本事業では、相馬ガスが供給している LP ガスベースの都市ガスに水素を 20%程度混合させて導管供給することを目的に、水素の混合技術の検討、CO2削減効果の検証、既存埋設導管の水素漏洩に対する安全性の確認、家庭用ガスコンロやガス警報器などの性能確認や安全性の検証を行う。検討期間は 2023 年 2 月までを予定し、検討結果を踏まえ、将来的には福島県南相馬市の約 500 戸を対象とした実証試験を想定する。

 今回の実証試験は、岩谷産業がこれまでに行ってきた北九州水素タウンなどでの水素導管供給とは異なり、一般住宅を対象とした民生向けに導管で水素を供給し、燃料電池による発電ではなく、燃焼させて燃料として使用すること、また、既存の供給インフラ、燃焼機器を使用するという点で国内初の取り組みとなる。

 岩谷産業では、脱炭素社会の実現に向け、CO2 フリー水素の大量調達や利活用、LP ガスのグリーン化、廃プラスチックやバイオガスからの水素・LP ガス製造など様々な検討を進めており、今回の事業はグリーン LP ガスの合成技術開発や 100%水素導管供給実現までの過渡期における CO2排出削減策の 1 つとしている。