在宅酸素療法時の火災事故による死亡者、昨年1年間で8名

日本産業・医療ガス協会調べ、2021年11月末時点

 日本産業・医療ガス協会がまとめた、在宅酸素療法時に患者が喫煙等を原因として火災により死亡するなどの重篤な健康被害事例によると、2021年1月~11月末までに全国で8名が死亡した。このうち原因(推定を含む)は、喫煙が3件で最も多く、電気ストーブからの出火が1件、不明が4件だった。酸素供給装置が直接の火災原因となったことはなかった。

 厚生労働省は1月21日付で「在宅酸素療法における火気の取扱いについて」注意喚起を行い、在宅酸素療法を受けている患者やその家族等は、酸素吸入時の火気の取り扱い等について、次の点を十分に理解して、酸素濃縮装置等を使用するよう呼びかけている。

  1. 高濃度の酸素を吸入中に、たばこ等の火気を近づけるとチューブや衣服等に引火し、重度の火傷や住宅の火災の原因となる。
  2. 酸素濃縮装置等の使用中は、装置の周囲2m以内には、火気を置かない。特に酸素吸入中には、たばこを絶対に吸わない。
  3. 火気の取扱いに注意し、取扱説明書どおりに正しく使用すれば、酸素が原因でチューブや衣服等が燃えたり、火災になることはないため、過度に恐れることなく、医師の指示どおりに酸素を吸入する。

啓発リーフレット

「在宅酸素療法時は、たばこ等の火気の取扱いにご注意下さい。」(PDF:311KB)