エア・ウォーターがリハビリ領域に参入、在宅医療事業を拡大
遠隔通信技術を活用した在宅医療のスタートアップ「リモハブ」を子会社化
エア・ウォーターは、心疾患の遠隔・在宅医療をサポートするリハビリシステムの実用化を目指すスタートアップ企業、株式会社リモハブ(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:谷口 達典、以下、リモハブ)の株式を、同社の株主であるベンチャーキャピタル等から譲り受けるとともに、リモハブが実施する第三者割当増資の引き受けにより、2022年3月11日付をもって同社発行済株式総数の63.2%を取得した。
リモハブは、循環器専門医である代表の谷口氏が、医療機器開発人材プログラム「ジャパン・バイオデザインプログラム※1」でのニーズ発掘を契機に2017年に創業したスタートアップ企業。遠隔モニタリングにより、心疾患患者に対するリハビリ療法を在宅で行う「オンライン管理型心臓リハビリシステム」の開発に取り組んでおり、2024年度の実用化を目指して、現在、医師主導治験を進めている。
※1 2001年にスタンフォード大学のDr Paul Yock(ポール ヨック 博士)らが、デザイン思考をもとにした医療機器イノベーションを牽引する人材育成プログラム。我が国においては、大阪大学・東京大学・東北大学の3大学が中心となり、スタンフォード大学と連携してジャパンバイオデザインを2015年8月立ち上げ、フェローシップと呼ばれる約1年間のコース等が毎年行われている。
心臓リハビリテーションの現状と事業構想
心臓リハビリテーションとは、心筋梗塞や心臓手術後など心疾患をもつ患者に対し、病態の進行を抑制・軽減し、快適で活動的な生活を支援することを目指す治療プログラム。公的医療保険が原則適用され、医師・看護師・理学療法士などの専門スタッフの管理のもと、有酸素運動や筋力増強運動などの運動療法や生活指導を受けることができる。
心臓リハビリテーションを実施する施設の多くは、リハビリ施設を病院内に有しており、入院中だけでなく外来通院による治療も提供している。再発リスクや再入院率が低下するなどの効果が認められる※2一方で、社会的な認知不足のほか仕事の都合や病院が遠いといった事情により、通院での実施・継続率は低位に留まっているのが現状になる。
こうした課題を解決するため、リモハブでは、病院から遠隔制御による管理・機器調整を行うことで、在宅で患者が安全に適切な心臓リハビリテーションができるシステムの実用化を進めている。患者が装着するウェアラブル心電計やIoT型バイクにより、病院側ではアプリを通じてリアルタイムに患者の姿や生体情報をモニタリングすることを可能となる。
※2 2021 年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドラインより
株式取得の概要
- 株式取得日:2022年3月11日
- 株式取得の割合:発行済株式総数の63.2%
株式会社リモハブの会社概要(2022年2月末現在)
- 本社所在地:大阪府吹田市江坂町1-23-19
- 創業・設立:2017年3月
- 代表者:谷口 達典
- 資本金:100百万円
- 従業員数:19名