大陽日酸が東京農工大学へ 酸化ガリウム(Ga2O3)用 MOCVD 装置を設置、稼働開始
大陽日酸は、国立大学法人東京農工大学の熊谷義直教授の研究室に研究開発用 MOCVD装置を設置した。設置されたのは型式FR2000-OXのMOCVD装置で、処理能力は2 インチ径 1 枚。β-Ga2O3基板上への高性能電子デバイス用の研究に必要な厚膜ならびに多元混晶成長のニーズに応える高純度・高速成長可能な酸化物向けMOCVD 成長炉。
β 型酸化ガリウム(β-Ga2O3)は、シリコンにかわる次世代省エネルギー素子(パワーデバイス)向けの半導体材料として注目されている。大陽日酸と東京農工大学は、2020 年10 月から有機金属気相成長(MOCVD)法による β-Ga2O3薄膜成長に関する共同研究を開始し、2021 年 3月には、これまで困難とされてきた β-Ga2O3の有機金属気相成長に成功している。
今後は大陽日酸が開発した酸化物向け MOCVD 装置(フローチャンネル部:特許取得済)を用いることで、複雑なデバイス構造が製作可能となり、当該材料の研究開発がさらに活発化することが期待される。
大陽日酸では東京工業大学との共同研究を通じて、更なる省エネルギー化を促進しカーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、自社製 MOCVD 装置の優位性をさらに高めるとしている。