高圧ガス工業 2023年3月期第1四半期連結決算

ガス事業の売上高157億4200万円11.4%増、営業利益13億0200万円23.9%増

 高圧ガス工業の2023年3月期第1四半期連結決算は、売上高215億0400万円(前年同期比10.9%増)、営業利益12億1700万円(同1.4%減)、経常利益16億0700万円(同9.8%増)、親会社株主に帰属する純利益10億4800万円(同4.6%増)だった。通期の連結業績予想と配当予想に変更は無い。

セグメント別経営成績

ガス事業

 自動車、半導体など一部の仕向け先において、需要が回復せず、更に原材料の高騰や供給制限が続く厳しい状況で推移した。このような事業環境のなか、当事業ではシリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、地域に密着した営業に努めた。

 『溶解アセチレン』は、建設及び土木関連の現場及び造船業界向けの出荷数量が減少したものの、原材料の上昇による価格転嫁により、売上高は前年同期を上回った。『その他工業ガス等』は、窒素が大手ユーザーの定修向けとアルゴンが自動車関連ユーザー向けに出荷数量がそれぞれ減少したが、新規ユーザーの獲得や原材料の上昇による価格転嫁、また、LPガス等の石油系ガスでは出荷数量が減少したものの、輸入価格の高騰に伴う販売価格の上昇により増加し、売上高は前年同期を上回った。『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が一部で回復し、売上高は前年同期を上回った。『容器』は、一般工業用向け容器の出荷数量が減少したものの、原材料の上昇による価格転嫁により、売上高は前年同期を上回った。

 設備賃貸の収入を加えた当事業の売上高は157億4200万円(前年同期比11.4%増加)、営業利益は13億0200万円(前年同期比23.9%増加)。

化成品事業

 原材料の高騰や、供給制限、供給不足が続く厳しい状況で推移した。このような事業環境のなか、当事業では仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術の開発に注力し、環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めた。

 『接着剤』は、ペガールが木工用が減少したものの、塗料用及び紙用が新製品の開発により増加、シアノンが欧米向け工業用が減少したものの、韓国向けにコンシューマー用の需要が増加、ペガロックが海外向けが中国主要都市のロックダウンの影響により需要が減少したものの、国内向け需要が回復し増加した。また、接着剤全般の価格転嫁もあり前年同期を上回った。

 『塗料』は、建築用塗料が高機能品の「ウォ-ルバリアシリーズ」や「ビーズコートシリーズ」の伸長や塗料製品の価格転嫁もあり増加し、また、エアゾール製品は需要が回復し、売上高は前年同期を上回った。

 設備賃貸の収入を加えた当事業の売上高は50億0300万円(前年同期比12.2%増加)、営業利益は原材料の高騰の影響を受け2億2900万円(前年同期比48.3%減少)。

その他事業

 LSIカード関連及び食品添加物の需要が減少して前年同期を下回り、売上高は7億5700万円(前年同期比5.6%減少)、営業損失は3800万円(前年同期は100万円の営業利益)。