エア・ウォーターグループの日本海水がJOGMECの共同研究相手先に採択
「マンガン含有坑廃水における生物処理の適用と汚泥の再利用化開発」
エア・ウォーターグループの株式会社日本海水は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の「令和4年度鉱害防止事業におけるカーボンニュートラルの推進に資する技術の開発に係る共同研究」相手先の公募に対して、「マンガン含有坑廃水における生物処理の適用と汚泥の再利用化開発」を提案し採択された。
休廃止鉱山から湧き出る坑廃水は、無処理のままで河川に放流すると人の健康や農産物に被害を与える恐れがあるため、地方公共団体が中和処理などの鉱害防止事業を実施している。こうした処理にかかるコスト削減はもとより、処理のさまざまな場面で排出される温室効果ガスの削減などカーボンニュートラルの推進に向けた取り組みが重要な課題となっている。
日本海水は、海水からの製塩を主力事業としており、海水中に含まれる有効成分を分離・抽出する技術を活用し、希土類元素をベースとした水浄化処理剤などの製造・販売を行っている。
本研究では、日本海水がトンネル湧水や閉鎖事業場の酸性水の処理に関する研究開発を行う中で発見したマンガンや鉄の酸化能力を有するバクテリアの適用性を確認し、生物接触ろ過処理を実施することで、既存のアルカリ凝沈による処理に比べより安価で省エネルギーな水リサイクルの方法を確立する。また、筑波大学・山路恵子教授との産学連携により、無毒化技術と運用の新システムを開発する。
今後は、マンガン除去の際に発生する酸化マンガン汚泥の再利用化を検討し、火力発電所の石炭灰や重金属に汚染された土壌の不溶化薬剤への利用を目指すなど、リサイクルに資する研究を行う。
契約の概要
- 契約締結先:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
- 契約形態:共同研究契約
- 契約期間:2022年12月27日~2023年2月28日まで(2024年2月28日まで継続予定)
株式会社日本海水 会社概要
- 本社:東京都千代田区神田駿河台4丁目2番5号
- 代表者:代表取締役社長 西田 直裕
- 売上収益:377億円(2022年3月期、連結)
- 事業内容:塩事業、環境事業、食品農業事業、電力事業
- 従業員数:706名(2022年3月末現在、連結)
- 株主:エア・ウォーター株式会社 100%