日本海水「苅田バイオマス発電所」が営業運転を開始

カーボンニュートラルな再生可能エネルギーでCO2削減、地域活性化に寄与

 エア・ウォーターグループで塩の製造・販売、電力事業を行う日本海水は、2023年8月1日より、福岡県苅田町にて「苅田バイオマス発電所」(発電出力 5万kW)の営業運転を開始した。

「苅田バイオマス発電所」
「苅田バイオマス発電所」

 本営業運転により、間伐材などの山林放置木の一層の活用による自然環境保護や再生可能エネルギーの利用によるCO2の削減効果(14.1万トン/年)※1など環境改善に資するとともに、地域の林業・木材産業振興、苅田町における雇用創出など地域活性化に寄与する。

 この結果、エア・ウォーターグループが運営する大規模な木質バイオマス発電所は計4箇所、最大発電出力は計17.15万kWとなる。グループは再生可能エネルギーによる電力事業を通じて、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。

※1:九州電力(株)「2021年度CO2排出係数の報告について」を用いて、九州電力の発電量の一部を本発電所の送電量に置き換えた場合として試算。

発電所建設の経緯

 製塩業界におけるリーディングカンパニーである日本海水は、家庭用・業務用あわせて年間40万トンの塩を生産しており、その工程で電力を使用するため、従来から発電設備を保有していた。2015年に固定価格買い取り制度(FIT)の活用と、CO2削減や雇用創出など社会貢献を勘案して、赤穂工場(兵庫県赤穂市)内に木質バイオマス発電所と天然ガスボイラを建設し、本格的に電力事業に参入。2021年には赤穂第2バイオマス発電所の営業運転を開始した。

 2019年6月には福岡県苅田町での木質バイオマス発電所の建設・運転等を目的とした発電事業会社「株式会社日本海水TTS苅田パワー」を設立し、2021年4月より本発電所の建設工事に着手した。苅田町では港湾設備の整備が進み、燃料の受け入れなど物流面でのメリットが得られることをはじめ、国内材の安定調達が期待できる地域であり、さらに燃料供給については供給元の民間企業と長期安定供給契約を締結している。

「苅田バイオマス発電所」概要

 本発電所の発電形式は、5万kW規模のバイオマス発電ボイラであり、PKS(パームヤシの殻、パーム油を生産する過程で発生する農作物残渣)や国内材(建設廃材や樹皮など)を燃焼しやすいトラベリングストーカ方式を採用し、燃料の多様性に対応可能なものとしている。

  1. 設置場所: 福岡県京都郡苅田町新松山一丁目4番
  2. 発電形式: バイオマス発電ボイラ
  3. 発電出力: 5万kW
  4. 燃焼方式: トラベリングストーカ方式
  5. メーカー: ㈱タクマ
  6. 燃料使用量: 28万トン/年(燃料:PKSおよび国内材)

発電事業会社「株式会社日本海水TTS苅田パワー」の概要

  1. 本社: 東京都千代田区神田駿河台4丁目2番5号
  2. 設立日: 2019年6月3日
  3. 出資比率: ㈱日本海水(68%)、㈱ティーティーエス企画(30%)、㈱タクマ(2%)

「株式会社日本海水」 会社概要

  1. 本社: 東京都千代田区神田駿河台4丁目2番5号
  2. 代表者: 代表取締役社長 西田 直裕
  3. 売上収益: 451億円(2023年3月期、連結)
  4. 事業内容: 塩事業、環境事業、電力事業、食品事業、農業事業、水事業、水族館事業
  5. 従業員数: 692名(2023年3月末現在、連結)

(参考)エア・ウォーターグループの再生可能エネルギーによる電力事業(大規模発電所)について

発電所名運転開始発電能力
日本海水 赤穂第1バイオマス発電所(兵庫県赤穂市)2015年4月約1.65万kW
日本海水 赤穂第2バイオマス発電所(兵庫県赤穂市)2021年1月約3万kW
エア・ウォーター小名浜バイオマス電力(福島県いわき市)2021年4月約7.5万kW
日本海水TTS苅田パワー木質バイオマス発電所(福岡県京都郡苅田町)2023年8月約5万kW