大陽日酸が酸化ガリウムウエハ開発・製造・販売の「ノベルクリスタルテクノロジー社」へ出資

量産型酸化ガリウムエピ成膜装置の開発加速で、パワー半導体市場へ対応

 大陽日酸は、次世代パワー半導体材料として注目されている酸化ガリウムのウエハの開発・製造・販売及びパワーデバイスの開発を行う株式会社ノベルクリスタルテクノロジー(本社:埼玉県狭山市、代表取締役社長:倉又朗人、以下、ノベルクリスタルテクノロジー社)への出資を決定した。

 この出資により大陽日酸は、酸化ガリウムのエピウエハ製造に使用する量産型酸化ガリウムエピ成膜装置の開発を加速し、両社にとってのシナジー効果を得ることに加えて、拡大するパワー半導体市場への対応スピードの向上を目指す。

※酸化ガリウムエピ成膜装置: 酸化ガリウム基板上に高品質な酸化ガリウム結晶を成膜する装置

「酸化ガリウムエピ成膜装置」(パース図)
「酸化ガリウムエピ成膜装置」(パース図)


 パワー半導体はサーバー・家電製品・電車・生産設備など様々な電気機器に組み込まれ、電圧や電流の制御を行い電力の消費を抑える電子部品であり、電気自動車や再生可能エネルギーの更なる普及に伴い、その需要は今後ますます増大することが見込まれている。

 また、酸化ガリウムを材料としたパワー半導体は窒化ガリウム、炭化ケイ素などを材料としたパワー半導体よりも高出力、高効率な特性が得られることが期待されている。それらの特性により、家電、電気自動車、鉄道車両、産業用機器、太陽光発電、風力発電などのパワーエレクトロニクス機器のさらなる低損失化が可能となる。

 今回の出資により大陽日酸は、酸化ガリウムのエピウエハの開発、製造、販売を行うノベルクリスタルテクノロジー社との連携を強め、酸化ガリウムのエピウエハの製造に使用する量産型酸化ガリウムエピ成膜装置の開発プロセスを加速させる。

ノベルクリスタルテクノロジー社の会社概要

  • 社名:株式会社ノベルクリスタルテクノロジー
  • 事業内容:酸化ガリウムエピタキシャル膜付基板の製造販売、単結晶およびその応用製品の製造販売、半導体およびその応用製品の製造販売
  • 設立:2015 年 6 月 30 日
  • 資本金:1 億 6,292 万円(2022 年 5 月 12 日現在)
  • 株主:株式会社安藤・間、岩谷ベンチャーキャピタル合同会社、AGC 株式会社、佐鳥電機株式会社、JX 金属株式会社、新電元工業株式会社、双日マシナリー株式会社、株式会社タムラ製作所、トレックス・セミコンダクター株式会社、株式会社安川電機、ローム株式会社 他(50 音順で記載)

ノベルクリスタル社関連ニュースリリース

世界初、HVPE 法で 6 インチウエハ上への酸化ガリウム成膜に成功 ―パワーデバイスの低コスト化と次世代 EV の省エネ化に貢献―(PDF)