岩谷産業、水素エネルギーの発信拠点となる新研修所を建設

水素エネルギー事業の推進に資する多様な人材を育成

 岩谷産業は、神戸ポートアイランド(所在地:神戸市中央区港島南町 4 丁目 3 番 1、7 丁目 2 番 1)に新しい研修所を建設する。敷地面積は1万0065.80平方メートル、2024 年 10 月頃の完成を予定する。

岩谷産業 研修所
完成イメージ

 岩谷産業は 1930 年の創業以来、LP ガスのリーディングカンパニーとして、また産業ガスやマテリアル事業などを中心に事業を展開してきた。1941 年に取扱いを開始した水素事業についても、さまざまな取り組みを行っており、同研修所を水素の利活用を通じ脱炭素社会の実現に向けた発信拠点とするとともに、水素エネルギー事業の推進に資する多様な人材の育成を目指す。

 新しい研修所においては、環境に配慮したエネルギー源として、純水素型燃料電池や、岩谷産業のJ-クレジットを活用したカーボンオフセットな LP ガスや太陽光発電などを導入する予定。将来的には、自社で調達したグリーン水素やグリーンLPガスなども活用し、二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルな研修所を目指す。

 建設場所となる神戸市は、他都市に先駆けて「水素スマートシティ神戸構想」の下、カーボンニュートラル実現に向けて積極的に取り組む。神戸空港島においては、岩谷産業ほか 6 社で構成する技術研究組合「HySTRA」の液化水素の受け入れ基地もあり、事業との親和性もある。

 また株式会社大林組(本社:東京、蓮輪賢治 社長)の設計施工により、大規模高層建築物では珍しい木材(「オメガウッド(耐火)」:大林組耐火木材技術)を使うことで CO2を固定化し、カーボンニュートラル実現に向けた先進的な研修所を目指す。同社とは、国内有数の水素エネルギー研究開発拠点である岩谷産業中央研究所・岩谷水素技術研究所においても共同で、建物への液化水素冷熱を利用する日本初の実証に着手するなどの取り組みも行っている。

 岩谷産業は 2030 年に創業 100 周年を迎える。「住みよい地球がイワタニの願いです」の企業スローガンの下、新たな研修所においても「世の中に必要」となる人材を育成していくとともに、脱炭素社会の実現への取り組みを加速し、企業価値向上に向けて取り組むとしている。