岩谷産業がコスモエネルギーHD株式を取得し、筆頭株主へ

シティインデックスイレブンスなどが保有するコスモ株式の大半を1053億円で取得

 岩谷産業は、2023年12月1日開催の取締役会において、コスモエネルギーホールディングス株式会社(以下「コスモ」)の株式を、株式会社シティインデックスイレブンス(以下「シティ」)、株式会社南青山不動産及び野村絢氏より追加取得すること、及び本株式取得を目的とした資金の借入を行うことを決議した。

 同日付で岩谷産業は、上記の3者からコスモ株式1740万525株を1053億円で取得し、岩谷産業が既に保有していた5万9000株と完全子会社の関東プロパン瓦斯が保有する375株と合わせて、1745万9900株(持株比率19.93%)のコスモ株式を所有することになり、筆頭株主となった。

 岩谷産業は、コスモとの間で、総合エネルギー事業では、LP ガス、LNG 等の販売・仕入等を行い、産業ガス・機械事業では、原材料の調達を行うなどの取引関係がある。

 また、社会課題の一つであるカーボンニュートラルの実現に向けて、世界的に脱炭素の潮流が加速し、水素分野への注目が高まる中、岩谷産業とコスモは、2022 年3月8日に、水素事業での協業検討に関する基本合意書を締結。2023 年2月には、水素ステーション事業協業を目的として、岩谷コスモ水素ステーション合同会社を、2023 年 11 月には、水素関連プロジェクトのエンジニアリング事業協業を目的として、コスモ岩谷水素エンジニアリング合同会社を設立するなど、協業関係を強化している。

 本株式取得のための資金の借入については、三菱UFJ銀行から取得金額と同額の1053億円を2023年12月1日付で借入し、返済期日が契約締結日より1年以内、借入金利Tibor+0.2%、返済方法期日一括、担保無しとした。

 本株式取得は、金融商品取引法第 167 条第1項及び同法施行令第 31 条に規定する「公開買付けに準ずる行為として政令で定める買集め行為」に該当する。

 本株式取得実行後に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第10条第2項に基づく届出を公正取引委員会に対して行い、届出が受理された日から待機期間が経過し、且つ公正取引委員会の審査の結果、排除措置命令を行わない旨の通知がなされた場合、シティから25万株を追加取得することを予定する。また、本株式取得による2024年3月期の連結業績予想への影響は精査中。

 岩谷産業では 1930 年の創業時より、「世の中に必要な人間となれ、世の中に必要なものこそ栄える」という企業理念のもと、くらしや産業にエネルギー、産業ガス、マテリアルなど幅広い商品やサービスを供給してきた。その根底には、これからの世の中が必要とする新しい価値を創造することで、社会に貢献したいという思いがあり、同社の全ての事業の根底にこの企業理念が脈々と受け継がれている。

 今後も、それぞれが有する経営資源やノウハウを結集しながら、より一層の連携を深めていくことが、脱炭素社会の実現に向けて、新たなシナジーを創出し、岩谷産業とコスモ両社の企業価値向上に資するとの見解から、今回の本株式取得に至ったとしている。