日本酸素HD 2026年3月期通期連結決算(IFRS)

2027年3月期通期は、売上収益1兆3800億円(1.5%増)、コア営業利益2080億円(2.4%増)の増収増益予想

 日本酸素ホールディングスの2026年3月期通期連結決算は、売上収益1兆3596億1100万円(前年同期比3.9%増)、コア営業利益2030億8400万円(同7.4%増)、営業利益1978億8200万円(同19.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1238億9100万円(同25.4%増)だった。2026年3月期の期末配当金を直近予想の29円から4円増配の33円に上方修正し、年間配当金は62円(前年同期は51円)とした。
 グループ全体の製商品の出荷数量は前連結会計年度比で減少、豪州での買収影響を除くと数量は低調だったが、米国を除く産業ガスセグメントでのコア営業利益は増加した。グループ全体として、コスト上昇による販売価格への転嫁等の価格マネジメント、地域ごとに生産性向上プログラムに継続的に取り組んだ。
 為替の影響は、期中平均レートが前連結会計年度に比べ、米ドルで152円57銭から151円9銭へと1円48銭(同1.0%)の円高、ユーロで163円66銭から175円58銭へと11円92銭(同7.3%)の円安となるなど、売上収益は全体で約229億円、コア営業利益は全体で約44億円のプラス影響となった。

セグメント業績

 セグメント業績は、次のとおり。セグメント利益はコア営業利益で表示。コア営業利益は営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出。

日本

 産業ガス関連では、主に炭酸ガス、パッケージガス、電子材料ガスの価格マネジメント効果があったものの、セパレートガス・LPガスといったガスの出荷数量が減少し、減収。機器・工事では、エレクトロニクス関連は中大型案件の工事の進捗に伴う売上等により増収だが、産業ガス関連は減収となった。セグメント利益は、価格マネジメント効果やエレクトロニクス関連の機器・工事における売上収益の増加が寄与し、増益。売上収益は、4,062億9600万円(前連結会計年度比 0.9%減少)、セグメント利益は、541億8200万円(同 15.1%増加)。

米国

 産業ガス関連の製商品の出荷は低調だが、価格マネジメント効果により増収。機器・工事では、エレクトロニクス関連で減収となった。セグメント利益は、価格マネジメント効果や生産性向上への取組みがあったものの、コストの上昇や、製商品の出荷数量減少の影響を受け、減益。売上収益は、3,605億5700万円(前連結会計年度比 0.1%増加)、セグメント利益は、529億1400万円(同 11.5%減少)。

欧州

 セパレートガスをはじめとするガスの出荷数量は減少したが、為替の影響や価格マネジメント効果により、増収。機器・工事では、医療関連機器・工事が堅調に推移したこと、前期に買収したイタリアのプラントエンジニアリング会社の売上収益が加わったことが寄与し、増収となった。セグメント利益は、ガスの出荷数量減少の影響を受けたものの、価格マネジメント効果や生産性向上への取組みにより、増益。売上収益は、3,509億7800万円(前連結会計年度比 6.8%増加)、セグメント利益は、704億2600万円(同 12.8%増加)。

アジア・オセアニア

 産業ガス関連では、前期に取得したオーストラリアのLPガス販売事業、今期に取得したオセアニア地域における産業ガス事業の寄与により、増収。エレクトロニクス関連では、電子材料ガスの出荷数量が回復基調であること、機器・工事が堅調に推移したことにより、増収となった。セグメント利益は、売上収益の増加により増益。売上収益は、2,084億5200万円(前連結会計年度比 18.1%増加)、セグメント利益は、197億4600万円(同 31.2%増加)。

サーモス

 日本では、猛暑の影響によりスポーツボトルの販売が上期を中心に堅調に推移したこと、機能的でスタイリッシュなデザインを特徴とする新製品の上市もあり、増収となったが、韓国では減収。セグメント利益は、日本における売上収益の増加、継続的なコスト削減などにより、増益。売上収益は、332億6300万円(前連結会計年度比 2.1%増加)、セグメント利益は、65億1100万円(同 3.6%増加)。

今期の見通し

 2027年3月期から2030年3月期までの4か年を対象期間とした中期経営計画「Next Innovation 2030 – Evolving for the Future」を策定。同計画では、3つの重点戦略「産業ガス事業の収益力の強化」「エレクトロニクス事業の拡大」「将来の成長ドライバーの創出」を定め、4年間での着実な事業収益の拡大と将来の成長ドライバーの創出に挑戦し、グループ理念にも通じるDNAの1つである進取の気概(イノベーションマインド)とさらなる技術力の強化により、産業・社会を取り巻く環境変化に適応し、未来の課題に対処しうる企業への進化をめざす。
 グループを取り巻く事業環境は、米国関税政策による保護主義の台頭に伴う貿易摩擦、サプライチェーンの混乱・再編による影響、中東情勢やロシア・ウクライナ情勢の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まり、世界的な物価上昇、各国における金融・財政政策の変動など、不確実性の高い状況が継続しており、グループの事業へ与える影響を注視しつつ、機動的かつ柔軟に対応していく。グループ全体における製商品の出荷数量動向について、こうした事業環境の影響を受ける可能性があるが、引き続き顧客への価値提供、価格マネジメント、生産性向上の取組みを継続し、収益力の強化を図る。
 2027年3月期の通期連結業績予想は、売上収益1兆3800億円(前年同期比1.5%増)、コア営業利益2080億円(同2.4%増)、営業利益2150億円(同8.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1310億円(同5.7%増)を見込む。主要通貨の米ドル・ユーロの想定為替レートは、 米ドルで150円00銭、ユーロで175円00銭。配当金予想は、中間配当が前年同期比4円増配の33円、期末配当は33円を維持し、年間配当は66円(前年同期比4円増配)。