エア・ウォーターが㈱ベジテックと資本業務提携、デリカフーズホールディングス㈱の第三者割当増資引受
3 社協業を通じて、畑から食卓をつなぐ青果流通加工プラットフォームを強化
エア・ウォーターは、畑から食卓をつなぐ青果流通加工プラットフォームの強化を通じて、生産者と消費者の視点に立った農業の成長産業化に貢献することを目指す。
その実現に向け、同社は、株式会社ベジテック（代表取締役社長：遠矢 康太郎、以下「ベジテック」）と2023 年 2 月 8 日付で業務提携に関する覚書を締結し、新たにベジテック株式の一部を取得した。
また、2019年5 月に業務提携したデリカフーズホールディングス株式会社（代表取締役社長：大﨑 善保、以下「デリカフーズホールディングス」）が 2023 年 3 月中に実施する第三者割当増資を引き受ける方法により同社株式を追加取得することについて、2023年2 月20 日にデリカフーズホールディングスと合意した。
昨今の国際情勢を背景とした食料安全保障や食料自給率の向上といった社会的な課題解決に貢献する上で、両社との協業体制の構築が必要不可欠だとして、今回の出資に至った。本協業を通じて、エア・ウォーターは、青果物の調達・加工・販売までのバリューチェーンをより強固なものとし、全国をカバーする付加価値の高い物流ネットワークを掛け合わせ、安全・安心な青果物を顧客のニーズに対応した形とタイミングで届ける青果流通加工プラットフォームを強化する。
経緯・目的
エア・ウォーターのアグリ＆フーズ（農業・食品関連）事業は、野菜の調達・加工やハム・デリカ、冷凍食品、スイーツ、野菜・果実系飲料、青果小売など「食」に関わる多彩な事業を展開している。このうちアグリ（農産・加工）事業においては、北海道を中心にこれまで培ってきた青果物の調達から開発・加工、販売までのバリューチェーンの強化・拡大を図るとともに、高圧ガス輸送で培った低温輸送技術と物流ネットワークを活かし、バリューチェーンをつなぐ新たな食品物流事業の創出にも取り組んでいる。
一方、国内の青果物市場は、健康志向の高まりや少子高齢化、人手不足等を背景に、小売・業務用ともにカット野菜・フルーツの需要が拡大するとともに、生産農家の減少、異常気象の頻発、円安による輸入品の高騰等により、消費者ニーズを捉えた青果物の流通加工と安定調達・供給がより重要になっている。
こうした中、エア・ウォーターでは青果物の調達から加工・販売まで手掛けるベジテック、デリカフーズホールディングスとの協業を通じて、原料調達機能を強化するとともに、加工・物流・販売における両社のリソースを活用。生産者が安心して農業に従事でき、消費者が安心して青果物を消費できる、「作って良し、使って良し」の青果流通ビジネスの拡大を進める。また、販路拡大などによる地域農業の振興や青果物の廃棄ロス低減などのフードロス低減にも貢献する。
両社との協業について
エア・ウォーターおよびベジテック、デリカフーズホールディングスの 3 社は、青果物の生産から販売までのサプライチェーンの中で、互いの調達・加工・販売・物流機能を活用することで、国内青果物流通における垂直統合モデルを構築。持続可能な国内農業の発展に寄与するとともに、産地と食卓をつなぎ、時代に応じた豊かな食文化を創出することで、ウェルネス（健やかな暮らし）に貢献する。
また、3 社の協業内容の推進に向けた運営委員会を設置し、ベジテックの遠矢康太郎社長が委員長に就任する予定。
＜具体的な協業内容＞
- 国内外における3 社の契約農家および調達ルートを活用した原料調達
- 3 社のカット野菜・加熱野菜・冷凍野菜の相互販売、ならびに小売・EC チャネル・外食・中食産業を中心とした取引先の開拓・拡大
- 3 社の物流ネットワークおよび拠点・施設を活用した青果流通・インフラ事業
- 鮮度保持・食品加工技術等の共同開発および加工センターの協同運営と新加工センターの設立
- 成分分析データを活用した青果物の付加価値向上およびブランド化
ベジテックについて
ベジテックは祖業である仲卸事業に加えて、時代とともに変化するライフスタイル・消費者ニーズに対応したカットサラダやミールキットなどの簡便商品を手掛ける加工製造事業、1/2 や1/4 サイズなど消費者が手に取りやすい形へ加工するプロセスセンター事業を主力に、産地と食卓をつなぐ青果物の専門商社。また、自社の検査機関である理化学分析センターでは、国際規格である ISO/IEC17025（残留農薬分析・放射能分析・栄養分析・微生物分析）を取得し、産地から食卓までの安全・安心をサポートしている。
株式会社ベジテック 概要
- 設立：1969 年
- 本社所在地：神奈川県川崎市宮前区水沢1-1-1
- 代表者：代表取締役社長 遠矢 康太郎
- 資本金：4 億37 百万円（2022 年3 月末時点）
- 事業内容：青果物の加工、仲卸業務ほか
- 従業員数：444 人（2023 年1 月末時点）
- 売上高：643 億円（2022 年3 月期連結）
ベジテックとの資本業務提携について
- 取得前の所有株式数：0 株（出資比率：0.0％）
- 取得株式数株：266,000 株
- 取得後の所有株式数：266,000 株（出資比率：5.0％）
- スケジュール：契約締結日2023 年2 月8 日、払込期日2023 年2 月28 日（予定）
※取得価額については、株式取得先との協議により非公開
デリカフーズホールディングスについて
デリカフーズホールディングスは、業務用野菜に関する仕入販売や、チルドのカット野菜の製造販売事業を展開するデリカフーズ㈱を中心に、物流事業、研究開発・分析・コンサルティング事業を行うグループ企業を有する純粋持株会社。同社グループは卸売事業者として国内外の契約産地から安定した仕入を行うことができる調達力と、高品質で安全、確実に商品を30,000 店舗の顧客のもとに配送するチルド配送網を全国に構築していることを強みとしている。
デリカフーズホールディングス株式会社 概要
- 設立：2003 年4 月
- 本社所在地：東京都足立区六町4-12-12
- 代表者：代表取締役社長 大﨑 善保
- 資本金：13 億77 百万円（2022 年9 月末）
- 事業内容：業務用野菜に関する仕入販売、カット野菜の製造販売
- 従業員数：2,692 人（2022 年9 月末、臨時雇用者2,011 名を含む）
- 売上高：398 億円（2022 年3 月期、連結）
デリカフーズホールディングスの第三者割当増資引受について
- 取得前の所有株式数：219,400 株（出資比率：1.49％）
- 取得株式数株：1,500,000 株
- 取得価額：790,500 千円（1 株当たり527 円）
- 取得後の所有株式数：1,719,400 株（出資比率：10.57％）
- スケジュール：払込期日2023 年3 月8 日（予定）
