大陽日酸がワイドレンジ型液化窒素式サブゼロ装置を販売開始
2023年4月から、従来機に比べて作業効率をおよそ20%向上
大陽日酸は、超サブゼロから低温焼戻しまでの幅広い温度範囲(-150~+200℃)に対応した、ワイドレンジ型液化窒素式サブゼロ装置を開発し、金属熱処理用ガスアプリケーションのラインナップとして2023年4月から販売を開始する。同装置は従来機に比べて幅広い温度帯への対応による作業内容の拡充から、作業効率がおよそ 20%向上し、ランニングコストの低減にも貢献する。
大陽日酸は、液化窒素式サブゼロ装置メーカーとして、様々な分野(自動車部品・航空機部品・精密部品・金型・工具・刃物など)への採用実績を有している。日本国内だけではなく、海外への納入実績もあり、製作台数は 100 台以上に上る。これまで、ユーザーからの要望に応じたカスタマイズを行い、他社にはない“ストレートスルー型”や“大開口型”のサブゼロ装置を商品化してきた。
昨今、従来よりも高硬度・高精度な部品が必要とされるようになったことを背景として、一般的に-100℃以下に冷却する処理のことを指す“超サブゼロ”を要望するケースが増えている。他方、省力化・省スペース化・コスト削減をキーワードに、超サブゼロから低温焼戻しまでを一貫して行える装置への要望もある。これらに応えるため、超サブゼロから低温焼戻しまでの幅広い温度範囲に対応したワイドレンジ型液化窒素式サブゼロ装置を開発した。
ワイドレンジ型液化窒素式サブゼロ装置の特徴
従来品と同様のカスタマイズが可能なことに加えて、以下の特徴がある。
- 1 台の装置で超サブゼロから低温焼戻しまでを一貫して行えるため、従来機比およそ30%のイニシャルコスト削減・フットプリントの縮小・従来機比およそ 20%の作業効率の向上にそれぞれ貢献
- 優れた断熱性能と耐久性を有する新規断熱材の採用により、従来(-80~+40℃)よりも幅広い温度範囲(-150~+200℃)に対応しながらも、従来品と同じ装置サイズを実現
- 大陽日酸独自の熱絶縁構造(特許出願中)の採用により、装置の内側から外側への熱移動を抑制することで、超サブゼロの温度帯においては装置外面の着霜防止、低温焼戻しの温度帯においては装置外面の過熱防止を実現
- 大陽日酸独自の扉パッキン加温機構の搭載により、超サブゼロの温度帯においてもシール性能を維持し、装置の安全な使用が可能
- 窒素ガス供給機構の搭載により、低温焼戻しを窒素ガス雰囲気下で行えるため、処理品の酸化を防止
ワイドレンジ型液化窒素式サブゼロ装置の仕様
機種は上扉型・前扉型・前後扉型(ストレートスルー型)から選択することができ、顧客の要望(処理量、庫内有効寸法、設置スペース、自動化など)に最適な仕様の提案が可能。デモ装置は山梨ソリューションセンターに設置しており、見学やサンプルテストの希望にも対応する。
庫内有効寸法 | W600×D1,200×H600mm |
処理重量 | 約 500kg |
使用温度範囲 | -150~+200℃ |
温度制御精度 | ±5℃以内 |
必要ユーティリティ | 電気、液化窒素、窒素ガス、計装空気 |
ワイドレンジ型液化窒素式サブゼロ装置(デモ装置)の仕様
会社概要
- 大陽日酸株式会社
- 事業内容:酸素・窒素・アルゴン等各種産業ガス、LP ガス、医療用ガス、特殊ガスの製造・販売及び溶断機器・材料、各種ガス関連機器、空気分離装置の製造・販売、電子部品の組立・加工・検査、設備メンテナンス
- 創業:1910 年 10 月 30 日
- 設立:2020 年 2 月 4 日
- 資本金:15 億円
- 株主:日本酸素ホールディングス株式会社(出資比率 100%)
- 売上収益:3,720 億円※
※日本酸素ホールディングス㈱2022 年 3 月期の日本ガス事業セグメントの売上収益