大陽日酸、高濃度二酸化炭素排出源から98%以上の濃度で、CO2を回収可能なPSA方式のCO2回収装置を開発・商品化
2023年4月から販売、中小規模排出源向けで10トン/日規模の回収量
大陽日酸は、石灰製造炉などの高濃度二酸化炭素(CO2)排出源から 98%以上の濃度で CO2を回収可能な PSA(Pressure Swing Adsorption)方式の CO2 回収装置を開発・商品化し、2023年4月から販売を開始する。
日本政府が掲げる 2030 年度の CO2 削減目標となる 2013 年度比46%に対し、CO2 の回収について問い合わせが増加するなか、大陽日酸は、顧客からの要望に対応するため、これまで培ってきたガス分離精製技術を活かし、CO2 回収装置の開発を進めてきた。
CO2 回収装置は CO2を回収し、高濃度化した CO2を炭酸塩等の原料やメタネーションに利用することができる。これにより、CO2削減の取り組みを支援し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。
大陽日酸が開発したCO2回収装置は、これまでバイオガス精製や希ガス回収用 PSA で積み上げてきた知見・実績をもとに、高濃度(20%以上)の CO2排出源(主に N2と CO2の混合ガス)からの CO2分離特性に優れた吸着剤と制御システムを採用した PSA 装置で、少ない圧力変動幅(電力)で効率のよい運転を実現した。
装置は中小規模排出源(排出量 1000Nm3/h クラス)向けで、ユニット化して導入・設置が容易な設計になっており、仕様も要望に合わせて変更可能。また、CO2 の濃縮・回収に加熱を必要とせず、熱源のない CO2排出源からでも効率よく高濃度のCO2 を得ることができる。
大陽日酸は今後も、これまで培ってきたガス・液化 CO2 製造供給技術に CO2回収装置を組合せ、ガス供給網を活用した CO2の回収から利用まで様々な形でカーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。
回収 CO2量 | 10 トン/日 |
回収 CO2濃度 | 98% |
原料 CO2濃度 | 30% |
装置寸法 | 14.5×5.35×2.75 m |