大陽日酸、水素-純酸素燃焼を用いた粉体溶融球状化技術を開発

「CERAMELT」の球状粒子製造プロセスにおける CO2 排出をゼロに

溶融・球状化前後でのアルミナ粒子の外観
溶融・球状化前後でのアルミナ粒子の外観

 大陽日酸は、純酸素燃焼を用いた粉体溶融・球状化システム「CERAMELT」と水素燃焼技術を組み合わせ、半導体材料製造プロセスにおけるカーボンニュートラル実現に貢献できる無機質粉体溶融・球状化技術を開発した。

 球状粒子は半導体封止材料等の樹脂充填剤として用いられ、半導体製品の性能向上や小型化に大きく寄与してきた。「CERAMELT」は、球状シリカ等の球状粒子を製造するプロセスで用いられ、酸素燃焼を用いた高温火炎中に原料粒子を通過させることで、粉体を溶融・球状化するという特徴を有している。

 近年の半導体の使用領域拡大とともに、製造過程における環境負荷低減に対する要求が厳しくなっており、大陽日酸はこの課題を解決する、水素-純酸素燃焼を用いた粉体溶融・球状化技術を開発した。

 「CERAMELT」では従来、燃料としてプロパンなどの化石燃料を使用していたため、燃焼排ガスに CO2 が含まれていた。本技術では、燃料に水素を用いることで燃焼排ガス中の CO2 をゼロにし、環境負荷低減に大きく貢献すると共に、従来の化石燃料と同等の性能で原料粒子を溶融・球状化することが可能。加えて、カーボン源が「CERAMELT」に供給されないため、製品中のカーボン不純物が低減し、高品質な球状粒子の製造に貢献できる。今後、顧客とともに本技術の実用化を進める。

参考

CERAMELTについての紹介(大陽日酸ガス関連機器サイトへリンク)

https://gasequip.tn-sanso.co.jp/products/ceramelt/