大陽日酸と日本製鉄、君津サンソセンターに空気分離装置を新設
レアガス(ネオン・クリプトン・キセノン)製造装置も設置
大陽日酸と日本製鉄株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:橋本 英二、以下「日本製鉄」)は、合弁で設立した株式会社君津サンソセンター(千葉県君津市、代表取締役社長;上原 正弘、以下「君津SC」)に、省エネルギー型最新鋭空気分離装置 1 基を新設する。稼働予定は2025年6月末。
また大陽日酸は、日本においては需要の大半を輸入に頼っているレアガス(ネオン・クリプトン・キセノン)の製造装置も同時に設置し、国内でのレアガス生産を増強する。レアガス装置の稼働予定は、クリプトン・キセノンが2025年8月、ネオンが2026年3月。
君津SCは、2022 年 9 月に日本製鉄 東日本製鉄所(君津地区)構内における各種産業ガスの生産効率化を目的に設立された。今回、大陽日酸と日本製鉄は日本製鉄 東日本製鉄所(君津地区)への酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガスの安定供給ならびに、大陽日酸への高品質製品供給のため、君津SCにおいて省エネルギー型の最新鋭空気分離装置を1基新設する。
さらに、同時に大陽日酸はレアガスであるネオンの精製装置とクリプトン・キセノンの製造装置を設置することも決定した。大陽日酸は、グループの株式会社九州サンソセンター大分工場(以下「九州SC大分」)でレアガスを製造しているが、国内生産を増強し、顧客に安定的にレアガスを供給する体制を構築する。
レアガス(ネオン・クリプトン・キセノン)は大型空気分離装置における酸素・窒素・アルゴン製造時の副産物として採取されるため、大型空気分離装置の少ない日本においては、大半を輸入に頼っている。レアガスは主にエレクトロニクス・照明・宇宙・省エネルギー分野等で利用されており、近年、世界的に需要が増加する一方、供給はタイト化している。
日本国政府は、これらのレアガスを安定供給確保すべき半導体製造プロセスにおける品目と認識し、2023年7月28日付で、経済安全保障推進法に基づき大陽日酸など5件の「供給確保計画」を経済産業省の支援の対象として認定した。
君津SCが設置する新規空気分離装置の概要
- 生産能力 : 酸素ガス 60,000 Nm3/h、窒素ガス 120,000 Nm3/h、液化アルゴン 2,100 Nm3/h
- 稼働予定時期 : 2025 年 6 月末
大陽日酸が設置する新規レアガス装置の概要
- 設置場所 : 株式会社君津サンソセンター
- ネオン精製装置
- 生産能力 : 2,700万リットル/年
- 稼働予定時期 : 2026 年 3 月
- クリプトン・キセノン製造装置
- 生産能力 : クリプトン 100万リットル/年、キセノン 12.5万リットル/年(※君津SCではクリプトン・キセノン混合ガス(中間製品)を製造。最終精製は九州SC大分で実施。九州SC大分での生産能力は君津SCとの合算でクリプトン 200万リットル/年、キセノン25万リットル/年)
- 稼働予定時期 : 2025 年 8 月
株式会社君津サンソセンター概要
- 所在地 : 千葉県君津市君津1番地(日本製鉄株式会社 東日本製鉄所(君津地区)構内)
- 設立 : 2022 年 9 月 1 日
- 資本金 : 50 百万円
- 出資比率: 大陽日酸 50%、日本製鉄 50%