大陽日酸とワイエムシィが難発現タンパク質の合成・精製で共同開発
無細胞タンパク質合成技術とクロマトグラフィー技術の強み活かす
大陽日酸と、株式会社ワイエムシィ(本社:京都府京都市、代表取締役社長:栗山 尚浩、以下 YMC)は、バイオ医薬分野で需要が見込まれる難発現タンパク質※の製造を行うため、合成から精製まで一貫した共同開発を開始した。
※ 難発現タンパク質:正しく機能する形での調製が難しいタンパク質
バイオ医薬分野のタンパク質市場拡大にともない、従来の生細胞を用いた発現・精製では得にくいような難発現タンパク質の需要が高まっている。
大陽日酸はイノベーションユニットの取り組みの一環として、無細胞タンパク質合成技術を応用した研究・開発を行っており、試験管内で簡便にタンパク質を合成する無細胞タンパク質合成系による難発現タンパク質合成の研究を行ってきた。また、YMCは医薬品の分離精製技術を核として、国内のみならずグローバル市場で成長を続けており、製薬分野において国内で随一の実績と高い精製技術を有する。両社は2018年7月に事業シナジーを創出することを目的として、事業提携契約を締結していた。
今回、難発現タンパク質の製造検討段階に移行し、合成から精製までの一貫した量産検討を進めるため、大陽日酸とYMCは共同開発を開始した。
今後、大陽日酸の無細胞タンパク質合成技術とYMCのクロマトグラフィー技術の強みを活かす共同開発により、両社は創薬研究向け試薬市場とバイオ医薬市場の顧客に高品質かつ製造コストを最適化した製品の提供が可能となる。また、両社は無細胞タンパク質合成系による難発現タンパク質製造だけでなく、合成から精製までのそれぞれの強みを最大限に活かし、高機能アフィニティカラムの開発など様々な分野でも連携を強める。
株式会社ワイエムシィの概要
- 事業内容:液体クロマトグラフィー用充填剤及び充填カラムの製造・販売、分取システムの製造・販売、受託精製、受託合成、フロー合成装置の製造・販売
- 設立:1980 年 1 月 28 日
- 資本金:6 億 8707 万円
- 連結売上高:160 億円(2023 年 3 月期)
- 連結経常利益:32 億円(2023 年 3 月期)