帝人ファーマ、携帯型酸素濃縮装置「ハイサンソポータブルαIII」を自主回収
PMDA「回収情報(医療機器)クラスII」、はんだ不良で駆動停止の可能性
帝人ファーマは2023年10月30日、同社が取り扱う携帯型酸素濃縮装置「ハイサンソポータブルαIII(以下「本製品」)」のバッテリーに関する警報が発報したとの不具合連絡を受けた調査の結果、本製品の構成部品である電源ボードの製造上の問題(はんだ不良)に起因することが判明したと発表した。
同社では、不具合の発生していない本製品に搭載されている電源ボードにおいても同様の問題が内在している可能性を完全には否定できず、また、リスク評価の結果、この問題によりバッテリーによる駆動時に本製品が停止する可能性があるとしている。このため、患者の安全を第一に考え、本製品全台について2023年10月27日より自主回収を開始した。回収対象数は289台(出荷時期:2023年7月10日~2023年10月20日)。
使用中に本製品が停止した場合、患者は規定の濃度の酸素を吸入することができず息切れなどの症状が発生する可能性があるが、添付文書に記載のとおり、不具合により数時間、酸素吸入ができないことが問題となる患者は、本製品の適用外となっている。また、不具合発生時には緊急対応ができるよう、帝人ファーマでは24時間のバックアップ体制を敷く。
本製品の納入先は全て特定できており、事前に連絡の上、本製品の自主回収を実施する。自主回収の発表時点では、不具合の発生件数は1件で、健康被害の報告は無い。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、これを受けて帝人ファーマの本製品「酸素濃縮装置」(商品名:ハイサンソポータブルαIII)の「回収情報(医療機器)クラスII」を公表した。(https://www.info.pmda.go.jp/rgo/MainServlet?recallno=2-11445)