伊藤忠と大阪ガス、世界最大級のグリーン水素製造プロジェクトを行うEverfuel社へ出資

電解装置規模20MW商業運転を2024年開始予定、隣接の製油所へ水素供給

 伊藤忠商事と大阪ガスの100%子会社であるOsaka Gas UK, Ltd.(大井田賢士 社長)は、共同で保有予定の特別目的会社(以下「SPC」)を通じ、グリーン水素バリューチェーン構築を推進するEverfuel A/S(本社:デンマーク ヘアニング、Jacob Krogsgaard CEO、以下「Everfuel社」、オスロユーロネクスト証券取引所上場)の株式取得に関する契約を締結した。

出資スキーム
出資スキーム

 SPCは関係当局からの認可を取得次第、Everfuel社の既存株主であるNel ASA(本社:ノルウェー オスロ、Håkon Volldal CEO、以下「Nel社」)が保有する13.56%の株式を取得する。また、SPCは将来Everfuel社が増資を行う際に、優先的に新規株式の引き受けを行うことに合意している。

 デンマークを含む北欧は、風力等の再生可能エネルギー資源が豊富でグリーン水素製造に適していること、既存のグレー水素の置換需要や長距離輸送分野向けの需要が見込めること、政府補助や規制の整備により水素社会到来の機運が高いこと、等、水素地産地消事業の早期開始に有利な条件が揃っており、将来的には一大水素消費地となるドイツへのパイプライン輸送も計画されている。

 Everfuel社は水電解装置を用いたグリーン水素生産設備・輸送機器・水素ステーションの設計・EPC・運用を行い、産業分野・モビリティ分野への水素の販売を通じて、地産地消のグリーン水素バリューチェーン構築を推進する。既に実績のある自社水素ステーションを通じた水素燃料供給に加え、同社水素製造第一号案件として、世界最大級(2023年12月時点、商業運転を行うグリーン水素製造プロジェクトとして。伊藤忠商事調べ)となる水素製造・配給プラント(電解装置規模20MW)の商業運転開始を2024年に予定しており、同プラントでは隣接する製油所への水素供給も合意している。

Everfuel社の水素製造プロジェクト

グリーン水素プロジェクト
グリーン水素プロジェクト
水素製造プラント外観
水素製造プラント外観
プラント内部
プラント内部

 伊藤忠商事は、中期経営計画の基本方針のひとつに『「SDGs」への貢献・取組強化』を掲げており、Everfuel社への出資を通じて水素事業の早期収益化を図る。本事業を通じて得られる知見やノウハウを活用し、水素の地産地消事業の欧州および他地域への横展開ならびに水素派生商品の製造事業への参画を目指す。

 Daigasグループは、2021年1月に発表した「カーボンニュートラルビジョン」や2023年3月に発表した「エネルギートランジション2030」のもと、2050年のカーボンニュートラル実現を目指す。

Everfuel社の会社概要

会社名Everfuel A/S
本社所在地デンマーク ヘアニング市
設立年2017年
事業内容グリーン水素生産設備・輸送機器・水素ステーションの設計・EPC及び運用、モビリティ分野・産業分野への水素販売
代表者Jacob Krogsgaard(CEO)、Uffe Borup(CTO)
資本金116百万ユーロ
従業員数80名
URLhttps://www.everfuel.com/