大阪ガスなど5者、低温・低圧での液化CO2大量輸送技術の開発で日豪パートナーを締結

約-49℃, 7bar仕様の採用でタンクを大型化、輸送船建造費や輸送コストを大幅削減

 JX石油開発、商船三井、大阪ガスと、オーストラリアの研究機関Future Energy Exports CRC Limited(以下「FEnEx CRC」)、同国の低炭素化技術の投資機関Low Emission Technology Australia(以下「LETA」)は、低温・低圧での液化二酸化炭素(以下「CO2」)の大量輸送の技術実証と、実現可能性の検証を行うための技術開発プロジェクト契約を締結した。

 本プロジェクトにおける実験・検証・検討は、FEnEx CRC、西オーストラリア大学、カーティン大学、ソウル国立大学およびdeepC Store Pty Ltdが実施する。

1.ラボスケール(実験室レベルでの小規模検証)の実証設備(圧力容器・気化設備など)を用いて、様々な操業条件やCO2以外の混合物質の含有条件による液化CO2の状態変化と気化への影響を実験
2.実験結果をFEnEx CRCが開発を進める液化CO2の状態変化と気化に関する設計計算モデルに反映するとともに、既存の市販ソフトウェアの設計計算に基づく予測値を検証
3.ラボスケールでの実験結果を反映した設計計算モデルを実証するため、パイロットスケールでの次期プロジェクトの組成を検討
本プロジェクトの主な内容

 液化CO2輸送船の実用化にあたり、現在は主に中温・中圧(約-26℃,18bar)仕様での検討が進められているが、タンクの大型化が難しいという課題がある。低温・低圧(約-49℃, 7bar)仕様を採用することでタンクの大型化が実現し、タンク容量あたりの輸送船建造費や輸送コストを大幅に削減できることが期待されている。

 一方、低温・低圧条件下の液化CO2輸送実績は未だないため、操業上のリスクを整理し、実現への確度を高める必要がある。

 本プロジェクトでは、まず低温・低圧仕様の大型液化CO2輸送船の実用化に向けた技術成熟度の向上に取り組み、将来の低温・低圧での安全かつ高効率な液化CO2大量輸送技術の開発・実証を推進することで、CO2排出削減が困難な産業から回収されたCO2を液化・船舶輸送、遠方でのCO2有効利用やCO2地中貯留を通して、アジア太平洋地域のカーボンニュートラル実現に貢献する。

各社のコメント

JX石油開発 執行役員サステナブル事業推進部長 有賀康人氏

「当社は本技術開発プロジェクトへの参加を通じて、CO2大量輸送技術の知見を深めるとともに、日本の産業CO2の貯留候補地であるオーストラリア産官学との関係強化、本パートナー各社との海外CCS事業実現に向けた連携強化に取組んでまいります。」

商船三井 執行役員 野間康史氏

「オーストラリアの研究機関および日本企業と協力し、低温・低圧下液化CO2海上輸送の技術的・商業的成熟度を高める機会を得られたことを大変光栄に思います。本プロジェクトの成果が将来の低炭素社会実現の一助になると確信しています。」

大阪ガス 理事 ガス製造・エンジニアリング部長 幡中宣夫氏

「Daigasグループは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、CO2バリューチェーンの構築による循環型社会への貢献を宣言しています。経済的な液化CO2輸送には低温低圧でのCO2ハンドリングは欠かせない技術であり、本技術開発プロジェクトを通じた新しい知見に期待しています。」

FEnEx CRC  Chief Executive Officer & Managing Director Eric May 教授

「オーストラリアはCO2大量輸送技術の開発をリードする良い機会に恵まれています。同分野の技術開発を成功させることで、オーストラリアの経済効果の最大化を図ると共に、同国の脱炭素目標達成に欠かせない国際協力と連携の強化を実現する所存です。」

LETA Chief Executive Officer Mark McCallum氏

「LETAは10年以上前から低炭素化技術に投資することで世界の温室効果ガス排出削減と低炭素社会への転換を支えてまいりました。本プロジェクトへの投資を通じて、アジアの各種産業施設とオーストラリアのCO2地中貯留地を繋ぐCO2大量輸送の技術実証に貢献すると共に、長年に渡って培われたオーストラリア貿易産業における主要取引関係の更なる深化に貢献出来ることを大変光栄に思います。」

関係者概要

■JX石油開発

JX石油開発

■商船三井

商船三井

■大阪ガス

大阪ガス

■FEnEx CRC

FEnEx CRC

■LETA

LETA