ENEOS、日豪間の CCS バリューチェーン構築に向けた Santos との共同検討を開始

回収したCO₂を海上輸送し、南オーストラリア州のムーンバ貯留サイトへ圧入・貯留

 ENEOSとJX石油開発は、オーストラリアの石油・ガス大手のSantos 社(以下、「Santos」)との間で日豪間の CCS(注1)バリューチェーン構築に向けた共同検討に関する覚書を締結した。

ムーンバ貯留サイト 位置図
ムーンバ貯留サイト 位置図

 今回合意した共同検討では、ENEOSの製油所および日本国内の様々な産業から排出される CO₂を回収し、オーストラリアに海上輸送した上で、Santos が保有する南オーストラリア州のムーンバ貯留サイトへの圧入・貯留を実施することによる CCS バリューチェーン構築に関する事業性を調査する。さらに 3 社共同で、ムーンバ貯留サイトにおいて DACCS(Direct Air Carbon Capture and Storage注 2)および合成燃料製造の検討も実施する。

ムーンバ貯留サイト
ムーンバ貯留サイト

 Santos は、ムーンバ貯留サイトにおいて、世界最大規模の CCS 事業に取り組んでおり、2024 年には CO₂の圧入・貯留を開始する予定。今回の共同検討は、同地での CO₂貯留能力を最大限活かすことに資するものであり、ひいてはアジア太平洋地域のカーボンニュートラル実現に寄与することが期待される。

 ENEOSグループは、2023 年 5 月に公表したカーボンニュートラル基本計画において、自社および他社の CO₂排出量を削減する手段として 2040 年までに年間 2,000 万トン超規模の CCS の事業化を目指すことを掲げている。また、Santos とは、オーストラリアおよびマレーシアにおける石油・天然ガス開発ならびにパプアニューギニアにおけるLNG事業などを通じて良好な関係を構築してきた。今回の覚書の締結による日豪間の脱炭素分野での新たな検討は、3 社間の関係をより一層深めるとともに、ENEOSグループのカーボンニュートラル基本計画達成に寄与するものとなる。

(注1) CCS: Carbon dioxide Capture and Storage の略。排出される二酸化炭素を回収し地下に圧入する技術。
(注2) DACCS:Direct Air Carbon Capture and Storage の略。大気中の二酸化炭素を直接回収し地下に圧入する技術。