エア・ウォーター、令和5年度 新エネ大賞の「新エネルギー財団会長賞」を受賞

『国内初の未利用バイオマスを活用した液化バイオメタン地域サプライチェーンモデル』

『国内初の未利用バイオマスを活用した液化バイオメタン地域サプライチェーンモデル』が「新エネルギー財団会長賞」を受賞

 エア・ウォーターが取り組む「国内初の未利用バイオマスを活用した液化バイオメタン地域サプライチェーンモデル」が、新エネルギー財団が主催する令和5年度 新エネ大賞で「新エネルギー財団会長賞」を受賞した。

 家畜ふん尿由来のバイオガスを回収・輸送し、製造プラントにてLBMを製造、LBMを各種燃料に利用する一連のサプライチェーンモデルが評価された。LBMは工場のボイラー燃料、トラック燃料、船舶燃料をはじめ、都市ガスの代替燃料やロケット燃料として利用可能であることを実証した。

2024年1月31日に行われた表彰式の様子
2024年1月31日に行われた表彰式の様子

 本取り組みは、北海道において、未利用バイオマスである家畜ふん尿から発生するバイオガスをLNG(液化天然ガス)の代替燃料となる液化バイオメタン(Liquefied Bio Methane、以下 「LBM」)に加工し、域内で消費する地域循環型のサプライチェーンを構築するもの。LBMはクリーンで持続可能な国産エネルギーであり、本取り組みの社会実装を加速化させることで、気候変動や家畜ふん尿に起因する臭気や水質汚染などの社会課題解決に貢献する。

 これはエア・ウォーターグループが、産業ガス事業で培ってきた徹底した温度管理やガス分離精製などのコア技術と、半世紀以上にわたりLPガスや灯油の販売で培ったエネルギー事業のノウハウを活用するとともに、北海道の地域事業基盤と物流ネットワークを組み合わせたグループならではの取り組みといえる。今後、2024年度からの事業化に向け、脱炭素を推進するユーザーへの供給を進める。

※LBMは、酪農家が保有するバイオガスプラントから発生した未利用バイオガスを回収した後、その主成分であるメタンを分離・精製し、マイナス約160℃で液化したもの。メタンは液化することにより容積を1/600に圧縮できるため、一度に大量のメタンを輸送することが可能になる。また、家畜ふん尿が原料のため、カーボンニュートラルな国産エネルギーとされる。本取り組みは、環境省が実施する「令和3・4年度 地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」において採択された。

新エネ大賞について

 「新エネ大賞」は、経済産業省・資源エネルギー庁の委託により財団法人新エネルギー財団が実施するもので、新エネルギーの普及促進に貢献した企業や自治体、非営利団体を対象に、新エネルギーに係る商品および新エネルギーの導入や普及啓発活動などにおいて優れた事例を表彰する。詳細URL:https://www.nef.or.jp/award/

(参考)

液化バイオメタンについて(エア・ウォーターウェブサイト)