東京国際空港航空貨物ターミナルで燃料電池フォークリフトの見学会
東京都が「羽田エリア水素ミーティング」を開催
東京都は2024年1月30日、大田区の「HANEDA INNOVATION CITY(羽田イノベーションシティ)」で、羽田エリア周辺のビジネスパーソンや水素利活用に関心のあるビジネスパーソン、脱炭素社会の実現に取り組む企業などを対象に、水素の理解が深まる講演や社会実装に関する取組を紹介するイベント「羽田エリア水素ミーティング」を開催した。
東京都はエネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向け、都内における水素エネルギーの需要拡大・早期社会実装化に取り組んでいる。水素社会の実現には、サプライチェーンの構築が重要であり、羽田エリアにおいては、水素の潜在的な需要が高く見込まれるとして川崎市や大田区とも連携しながら、空港臨海エリアにおける水素等の供給体制の構築や需要の拡大を推進。今回、「羽田エリア水素ミーティング」が、脱炭素社会の実現に向け取り組む事業者に対し、水素の理解を深める講演や社会実装に関する取組みを紹介する目的で実施された。
イベントでは、東京大学先端科学技術研究センター所長の杉山正和教授による「カーボンニュートラル実現における水素の役割」の基調講演や、東京都、ENEOS、資源エネルギー庁からの水素への取組み紹介のほか、会場内でのパネル・実機展示によるブース出展、屋外会場での燃料電池フォークリフトと燃料電池トラックの展示、水素コンロで調理した東京食材の試食会などが行われた。
羽田空港での燃料電池フォークリフトトライアルへ鈴木商館が水素充填設備を提供
また、東京都の「燃料電池フォークリフトマッチング導入支援事業」として、空港施設(株)が2023年12月4日~2024年1月31日まで、羽田空港の東京国際空港航空貨物ターミナルで実施した燃料電池フォークリフト(FCFL)のトライアル利用現場の見学会も行われた。
この支援事業はFCFLを都の負担により一定期間、公募で選ばれた事業者へ貸し出し、トライアル利用するもので、FCFLの機能性、操作性を体感できる機会を提供し、都内へのFCFL導入を促進することが目的。FCFLはトヨタエルアンドエフ東京(株)が提供し、FCFLへ水素を充填する水素充填設備として鈴木商館が独自に開発した「ベルステーションMINI35」を使用して充填が行われている。
見学ツアーでは、「HANEDA INNOVATION CITY」から燃料電池バスに乗ってFCFLへ水素充填が行われている東京国際空港航空貨物ターミナルへ向かい、「ベルステーションMINI35」からの水素充填について説明を受けた。FCFL1台への満充填にかかる時間は3分ほどで、これにより8時間の稼働が可能となっている。充填場所に運ばれた専用の水素カードルからの差圧で充填を行うもので、定置式の水素ステーションに比べて低コストのため、FCFLを1台から数台で運用するケースに最適となる。