大陽日酸、任意の温度(-60~-180℃)の低温ガスを安定的に供給できる「クールマイスターAC」を販売開始
温度制御精度は設定温度±2℃、流量脈動±1.5%以内
大陽日酸は、-180℃の極低温の冷熱供給や材料試験・環境試験用途向けに、極低温ガスを供給できる低温ガス発生装置「クールマイスターⓇAC」を2024年4月より販売開始する。任意の温度(-60~-180℃)の低温ガスを安定的に供給することが可能で、独自プロセス採用により、温度制御精度を設定温度±2℃、流量脈動を±1.5%以内に抑えることが可能。
大陽日酸ではこれまで、医薬品・化成品の合成時に発生する反応熱の除去用途や、エレクトロニクス分野での半導体半導体製造時の発熱除去用途に、液化窒素で冷却された-60℃から-120℃の液体冷媒を循環・供給することができるクールマイスターⓇシリーズ(低温反応制御システム)を取り扱ってきた。
近年、材料試験や機器の環境試験における極低温環境形成に、窒素やヘリウムといった「気体」を使用したいという要望を受け、熱交換技術やガス供給制御技術を応用し、不活性気体(ドライ空気を含む)を-60℃から-180℃の任意の温度で安定的に供給できる低温ガス発生装置を開発した。今回、新たにクールマイスターⓇシリーズのラインナップに加え、「クールマイスターⓇAC」とし、主な使用用途として、材料試験、環境試験、低温パージ及び食品冷凍向けに拡販する。
クールマイスターⓇACの概要・特長
クールマイスターⓇACは、常温の不活性ガスを熱交換器で液化窒素の冷媒で冷却することにより、冷媒として極低温の不活性ガスを発生させる(図1)。本装置は従来の低温反応制御システムの特長である、①シンプルでコンパクトな装置構成、②短い起動時間、③高いメンテナンス性、④環境にやさしいノンフロン、を踏襲する。
顧客の要望(必要流量、必要温度、設置スペース、設置環境等)を基に、最適な仕様を都度設計が可能。大陽日酸は極低温ガス52㎥/h(-160℃)を発生するデモ機も保有しており、見学や貸出に対応する。
寒冷源 | 液化窒素 |
供給冷媒 | 不活性ガス(ドライ空気を含む) |
冷却制御温度 | -60~-180℃ |
温度制御精度 | ±2℃以内 |
供給量 | 最大52㎥/h(-160℃) |
供給量変動幅 | ±1.5%F.S.以内 |
※必要流量に関しては別途問い合わせ。
※窒素ガス供給の場合、寒冷源として使用した液化窒素を気体冷媒として再利用することでガス使用量の削減が可能。(窒素ガス使用量約40%削減:オプション対応)