新コスモス電機 2024年3月期通期連結決算

海外売上高比率40%超え、中計目標値を早期に達成

 新コスモス電機の2024年3月期通期連結決算は、売上高385億4600万円(前年同期比3.6%増)、営業利益40億8600万円(同28.2%減)、経常利益48億0900万円(同23.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益29億5900万円(同20.8%減)となった。期末配当を直近予想の47円から1円増配し48円とした。

 2024年3月期の連結業績は当初の計画どおりの増収実績となり、利益面についても概ね計画通りの進捗となった。特に海外売上高比率については40%を超えており、中期経営計画の目標値を早期に達成した。

 グループは、一酸化炭素検知機能付き火災警報器 「プラシオ」、アウトドア用途向け一酸化炭素アラーム「コアラン」や通信機能を搭載したアルコール検知器など、家庭用ガス警報器関連、工業用定置式ガス検知警報器関連、および業務用携帯型ガス検知器関連の各分野において独自のガスセンサ技術を活かした機器の開発・販売を進めた。また、世界中のガス事故ゼロを目指し、より一層、安全・安心で快適な環境づくりに貢献するため、高性能・高品質・高付加価値製品の開発に取り組むとともに、グループのネットワークを活かしたグローバルな営業活動を展開し、業績の向上に努めた。

 商品別概況は次のとおり。

家庭用ガス警報器関連

 海外市場における米国向け電池式メタン警報器および中国向け家庭用警報器の販売が堅調に推移した。加えて、海外向け警報器用ガスセンサの販売が好調に推移。売上高は192億8800万円(前期比1.5%増)。

工業用定置式ガス検知警報器関連

 海外市場のエレクトロニクス業界向けおよび中国向けガス検知警報器の販売が好調に推移した。 また、メンテナンスサービスも堅調に推移した。売上高は113億0500万円 (前期比11.2%増)。

業務用携帯型ガス検知器関連

 国内市場の都市ガス業界向けおよび鉄鋼業界向けのガス検知器の販売が好調に推移。 また、メンテナンスサービスも堅調に推移した。売上高は62億9300万円 (前期比4.4%増)。

「中期経営計画 2022-2024」の計画値を修正

 2025年3月期の通期連結業績予想は、売上高416億6100万円(前年同期比8.1%増)、営業利益41億円(同0.3%増)、経常利益41億5000万円(同13.7%減)、親会社株主に帰属する純利益23億8000万円(同19.6%減)を見込む。年間配当金予想は期末配当48円を維持する。

 また、2022年5月13日に公表した新コスモス電機グループ「中期経営計画 2022-2024」の最終年度の計画値を次の通り修正した。修正後の数値は2025年3月期の連結業績予想と一致する。

当初計画値修正値増減額増減率
家庭用ガス警報器関連21,80021,822220.1%
工業用定置式ガス検知警報器関連10,200 11,131 931 9.1%
業務用携帯型ガス検知器関連10,000 6,730 △3,270 △32.7%
その他 3,000 1,978 △1,022△34.1%
合計45,000 41,661 △3,339△7.4%
営業利益 ※カッコ内は営業利益率5,400(12.0%) 4,100(9.8%)△1,300 △24.1%
ROE 7.4%5.3%△2.1%
単位:百万円

 修正理由として、2025年3月期の売上は、法改正等に伴い販売増を見込んでいた業務用携帯型ガス検知器の販売予測が厳しいことから、中期経営計画を達成することが難しい見通しとした。また、利益については新工場の建設や海外拠点の整備、新製品開発など、投資は計画通り進捗していることに加え、管理コストの高騰、部材やエネルギー価格、物流コストの高騰などについては当初の計画時には見込んでいなかったことから、利益についても中期経営計画の目標を達成することが難しい見通しとなった。その結果、2025年3月期は過去最高の売上高となる予想ではあるものの、中期経営計画を売上高、営業利益とも下回る見通しとなったことから計画値を修正した。