星医療酸器 2024年3月期通期連結決算

医療用酸素・医療用二酸化炭素の出荷量堅調

 星医療酸器の2024年3月期通期連結決算は、売上高147億7800万円(前年同期比7.2%増)、営業利益19億6100万円(同10.3%増)、経常利益20億3800万円(同12.1%増)、親会社株主に帰属する純利益13億9300万円(同11.2%増)だった。

セグメント別概況

医療用ガス関連事業

 新規取引先拡販が順調に推移し、医療用酸素・医療用二酸化炭素の出荷量は堅調に推移した。エネルギーコスト上昇等に伴う材料・仕入価格上昇は、市況を見ながらコスト上昇分を鑑みた適正価格への変更に注力し交渉を進めた。また円滑な組織体制づくりや物流・運送業界における2024年問題に対応すべく人的資源の拡充にも努めた。売上高は38億2500万円(前期比5.1%増)、セグメント利益は6億万円(前期比24.7%増)。

在宅医療関連事業

 アフターコロナの影響も受けることなく「HOT(在宅酸素療法)」、「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」共に好調に推移した。利益面では、自助努力による合理化に努めた。売上高は63億0500万円(前期比5.5%増)、セグメント利益は7億8700万円(前期比5.9%減)。

医療用ガス設備工事関連事業

 保守点検及びそれに伴う修繕業務は安定した売上を確保。設備工事は当期に大型物件が複数完工したことにより売上確保に繋がった。売上高は20億5600万円(前期比19.2%増)、セグメント利益は3億4300万円(前期比29.7%増)。

介護福祉関連事業

 地域包括支援センターや居宅介護支援事業所及び病院・施設への継続的な営業活動を図ることによりレンタル売上及び販売は順調に推移した。また訪問看護事業所は、都内3拠点を事業基盤として地域へのPR活動強化による認知度アップとスタッフの増員など運営体制の充実を図り順調に推移した。売上高は12億1100万円(前期比25.4%増)、セグメント利益は3800万円(前期比156.6%増)。

施設介護関連事業

 売上高は3億4900万円(前期比0.1%減)、セグメント利益は4100万円(前期比42.0%増)。

今後の見通し

 事業環境の変化として、医療技術の進歩や入院日数の短期化等を背景に、医療用ガスの消費量は鈍化傾向にあるが、療養の場が「医療機関」から「在宅」へと変化してきたことで、より在宅医療に対するニーズが高まった。

 グループは「医療用酸素ガス供給業者のリーディングカンパニー」として、医療用ガスの安定供給により維持発展させたうえで、在宅医療関連事業や介護福祉関連事業を中心として、収益力向上に努める。在宅医療機器や福祉用具レンタル数増加のため、抜本的な働き方やサプライチェーンを見直し、経営資源の効率的な投下と、積極的な設備投資を行う。

 2025年3月期の通期業績予想は、売上高150億円(前期比1.5%増)、営業利益20億1000万円(前期比2.5%増)、経常利益20億5000万円(前期比0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億2000万円(前期比1.9%増)を見込む。年間配当金予想は中間35円、期末35円の計70円を維持した。