高圧ガス工業 2024年3月期通期連結決算

親会社株主に帰属する純利益45億3百万円で過去最高

 高圧ガス工業の2024年3月期通期連結決算は、売上高932億7500万円(前年同期比1.9%増)、営業利益57億3700万円(同12.1%増)、経常利益66億5700万円(同14.6%増)、親会社株主に帰属する純利益45億0300万円(同14.2%増)だった。

 当通期連結業績が好調に推移し、親会社に帰属する当期純利益が過去最高の実績となる見通しであることなどから、期末配当金を直近予想の9円から2円増配し11円とした。年間配当金は20円(前期比2円増配)。

 セグメント別の経営成績は次のとおり。

ガス事業

 売上高は690億1500万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は61億2600万円(同7.6%増)。

 原材料の供給制限が緩んできたものの、鉄鋼、自動車、化学、半導体、建設など仕向け先全般において、需要回復が鈍く、厳しい状況で推移した。

 シリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、生産・販売体制の見直しを行ない、地域に密着した営業に努めた。また、カーボンニュートラル社会の実現に向け、環境負荷の低い液化アンモニアや水素ガス等の供給網整備に継続して取り組んだ。

 『溶解アセチレン』は、建設・土木関連の現場向け需要が減少したものの、造船業界向け出荷数量の回復と原材料価格の上昇による価格改定により、売上高は前期を上回った。

『その他工業ガス等』は、酸素、窒素、アルゴンが新規需要先の獲得があったものの充填所及び大手ユーザー向けに需要が減少、炭酸がプラントメーカーの生産量の減少に伴なう出荷制限、LPガス等が一般家庭用の需要の減少により出荷数量はそれぞれ減少した。売上高では各種原材料価格の上昇による価格改定を実施し、前期を上回った。

 『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が減少したものの、原材料価格の上昇による価格改定により、売上高は前期を上回った。

 『容器』は、半導体及び一般工業用向け容器の出荷数量が減少したものの、原材料価格の上昇による価格改定により、売上高は前期を上回った。

化成品事業

 売上高は205億2100万円(前年同期比0.6%減)、営業利益は12億4000万円(同32.3%増)。

 原材料の供給面は安定してきたが、依然として原材料価格やエネルギー価格の高止まりが続く厳しい状況で推移した。仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術の開発に注力し、環境配慮型水性接着剤や高耐候性塗料など環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めた。

 『接着剤』は、ペガールが紙用の新製品開発により販売が増加したが、土木建築用・塗料用の需要が減少した。シアノンが欧米向け高機能品の需要が増加したが、アジア・南米向けの需要が減少。ペガロックが中国向け弱電用がロックダウン解除により需要が回復したが、国内向けが住宅設備関係の需要が減少した。接着剤全般の売上高は、原材料価格の上昇に伴なう価格改定もあったが、出荷数量の影響を受け前期を下回った。

 『塗料』は、外装用高機能品の「ビーズコートシリーズ」の伸長、防水需要の回復、海外向け工業用の伸長があったが、建築汎用塗料は戸建改修の需要低迷により販売が減少した。また、エアゾール製品は物価高騰による消費マインドの低下により需要が減少。塗料全般の売上高は、原材料価格の上昇に伴なう価格改定もあったが、前期を下回った。

その他事業

 売上高は37億3800万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は2400万円(前年同期は3100万円の営業損失)。

 LSIカード関連及び食品添加物の需要が増加し、価格改定もあり前年同期を上回った。

今後の見通し

 2025年3月期の通期連結業績予想は、売上高1000億円(前年同期比7.2%増)、営業利益66億円(同15.0%増)、経常利益72億円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する純利益48億円(同6.5%増)を見込む。年間配当金予想は中間配当10円、期末配当10円の計20円を維持した。