フクダ電子 2024年3月期通期連結決算

売上高、利益で過去最高、在宅レンタル事業は増収増益

 フクダ電子の2024年3月期通期連結決算は、売上高1403億2300万円(前年同期比4.2%増)、営業利益265億0600万円(同10.0%増)、経常利益269億9000万円(同7.6%増)、親会社株主に帰属する純利益186億9300万円(同8.2%増)となった。為替影響度は1円円安で、ドルで0.7億円のマイナス、ユーロで0.1億円のマイナス影響。

 医療機関の手術症例数増加、受診需要回復、感染予防対策ニーズで売上高、各利益は過去最高となった。生産プロセス改革として、調達リスク低減の先行手配、リユースによる生産に取り組んだ。ITの有効活用、新社屋設立による職場環境の改善で組織力向上を図った。

 セグメント別の治療装置部門では、在宅医療向けレンタル事業、AEDが伸長した。セグメント売上高は597億0600万円(前年同期比7.7%増)。在宅レンタルは売上、営業利益ともに増加した。

 2025年3月期通期連結業績予想は、売上高1350億円(前年同期比3.8%減)、営業利益230億円(同13.2%減)、経常利益230億円(同14.8%減)、親会社株主に帰属する純利益165億円(同11.7%減)を見込む。年間配当金は中間配当85円、期末配当85円の計170円(前期比15円減配)を予想する。想定為替レートはドル=140円(前年度130円)、ユーロ=155円(前年度140円)。設備投資はCFベースで141億円(前年度比増減なし)とし、白井工場の新棟建設、在宅レンタル事業の拡大を行う。

 2027年3月期を最終年度とする中期経営計画では、連結売上高1420億円、営業利益270億円を目標とする。事業環境の変化として、2024年度診療報酬改定と医療DX令和ビジョン2030を挙げ、地域医療を支える取組みとなるICT・クラウドソリューションの「f’no」「f’Rens」など、各種システムを軸とするIT活用や、HOT・CPAPの在宅事業の強化、医療従事者の業務負担軽減のための製品開発を行うとしている。