星医療酸器 2024年3月期第3四半期連結決算

5類移行後も新規取引先拡大、医療用酸素・二酸化炭素の出荷量堅調

 星医療酸器の2024年3月期第3四半期連結決算は、売上高106億4400万円(前年同期比8.2%増)、営業利益13億9600万円(同11.1%増)、経常利益14億6000万円(同13.1%増)、親会社株主に帰属する純利益9億9400万円(同14.0%増)だった。直近公表の通期連結業績予想と年間配当金予想に変更はない。

セグメント別概況

医療用ガス関連事業

 COVID-19の感染法上の分類が5類に移行後も、新規取引先拡販が順調に推移、医療用酸素・医療用二酸化炭素の出荷量は堅調。世界情勢を反映したエネルギーコスト上昇等に伴う材料・仕入価格上昇は、市況を見ながらコスト上昇分を鑑みた適正価格への変更に注力し交渉を進めた。また円滑な組織体制に向けた人的資源の拡充等にも努めた。売上高は28億1900万円(前期比4.6%増)、セグメント利益は4億2100万円(前期比25.3%増)。

在宅医療関連事業

 国の施策である在宅医療への推進を受け、きめの細かい営業活動を継続。コロナ禍では感染防止に努めつつ出来る限りの対応を行った。「HOT(在宅酸素療法)」、「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」共に好調に推移した。利益面では世界的な原材料価格の上昇やエネルギー、輸送費の高騰が続いており、自助努力による合理化に努めた。売上高は47億0700万円(前期比6.1%増)、セグメント利益は5億9000万円(前期比1.3%減)。

医療用ガス設備工事関連事業

 配管設備工事は上期に大型物件の完工もあり好調に推移した。配管設備保守点検もコロナ禍前の状況に戻り、安定した売上を確保した。売上高は11億9400万円(前期比28.2%増)、セグメント利益は2億2200万円(前期比28.3%増)。

介護福祉関連事業

 介護福祉関連機器のレンタル及び販売部門は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者への継続的な営業活動を図ることによりレンタル売上及び販売においても順調に推移した。訪問看護事業所は、都内3拠点を事業基盤として地域へのPR活動強化による認知度アップとスタッフの増員など運営体制の充実を図り、順調に推移。売上高は8億8700万円(前期比30.0%増)、セグメント利益は2800万円(前期比762.3%増)。

施設介護関連事業

 有料老人ホーム「ライフステージ阿佐ヶ谷」(東京都杉並区)は、24時間看護師在駐や地元医療機関との連携の更なる構築を図り、高付加価値サービスの提供と、人材育成の体制を強化。入居者の多様なニーズを把握したうえで、感染病の予防とまん延防止を最重視した運営を徹底することで入居者、家族へ「安心」「安全」を提供し、入居率の向上に努めた。通所介護施設「あしつよ・文京」(東京都文京区)、「あしつよ巣鴨」(東京都豊島区)、「あしつよ王子」(東京都北区)においても、感染防止に留意しつつ、地元密着型のサービスの提供と顧客ニーズの多様化に対応した稼働率アップを図った。売上高は2億6200万円(前期比1.4%減)、セグメント利益は1600万円(前期比27.5%減)。