東邦アセチレン 2024年3月期通期連結決算

ガス関連事業は一般高圧ガス価格改定の浸透と窒素の好調な出荷で増収増益

 東邦アセチレンの2024年3月期通期連結決算は、売上高354億2300万円(前年同期比3.9%増)、営業利益21億1600万円(同39.1%増)、経常利益24億4100万円(同45.0%増)、親会社株主に帰属する純利益14億1500万円(同43.2%増)となった。期末配当金を直近予想の8円から1円増配し9円(株式分割前45円)とした。株式分割を考慮しない場合の年間配当金は70円で前期比10円の増配。

セグメント別業績

ガス関連事業

 売上高は、210億3500万円と前連結会計年度に比べ6億4900万円(3.2%)の増加、営業利益は20億9100万円と前連結会計年度に比べ5億7900万円(38.3%)の増加。

 液化石油ガスは暖冬の影響により需要が減少し、また輸入価格の変動に伴い販売価格が下落した。各種一般高圧ガスは調達コスト増加に伴う販売価格の改定が浸透したことに加え、窒素は発電所向けの出荷数量が増加し、売上高は増加した。

 利益面では、電気料金の上昇に伴い製造コストが増加したが、液化石油ガスの輸入価格の変動に伴い仕入価格が下落したこと、各種一般高圧ガスの価格改定の浸透及び窒素の好調な出荷等により、営業利益は増加した。

エスプーマ関連事業

 売上高は、17億9100万円と前連結会計年度に比べ9300万円(5.5%)増加、営業利益は4億8300万円と前連結会計年度に比べ700万円(1.5%)の減少。

 食品用ガスの販売価格改定の浸透及び食品関連器材の需要が増加したこと等により売上高は増加した。営業利益は、食品用ガス容器の購入等に伴う販売費及び一般管理費が増加したことにより減少した。

器具器材関連事業

 売上高は、105億2400万円と前連結会計年度に比べ8億3700万円(8.7%)の増加、営業利益は5億0100万円と前連結会計年度に比べ1億4800万円(42.1%)の増加。

 溶接材料は自動車関連向け、溶接切断器具は消耗品及び大型設備の需要が増加したこと等により、売上高及び営業利益は増加した。

自動車機器関連事業

 売上高は、6億4200万円と前連結会計年度に比べ5億2800万円(45.1%)の減少、営業損益は前連結会計年度に比べ5300万円減少し、700万円の営業損失(前連結会計年度は4600万円の営業利益)。

 自動車部品メーカーの国内外の設備投資需要が減少したこと等により売上高は減少し、営業損失となった。

製氷機関連事業

 売上高は、11億9200万円と前連結会計年度に比べ3億2700万円(37.9%)の増加、営業利益は1億1900万円と前連結会計年度に比べ7600万円(179.0%)の増加。

 製氷・冷凍機械の大型物件の増加及び作業進捗が進んだことにより、売上高及び営業利益は増加した。

その他

 売上高は、2億3700万円と前連結会計年度に比べ4400万円(15.6%)の減少、営業利益は4800百万円と前連結会計年度に比べ100万円(3.9%)の増加。

 大型の医療用ガス配管工事の減少により売上高は減少したが、利益率の改善に努めた結果、営業利益は増加した。

今後の見通し

 2022年度を初年度とする4カ年の「中期経営計画」を公表し、この達成に向けて、既存事業の競争力強化と、成長分野への積極投資を行う両利きの経営で、さまざまな事業強化策を実行し、事業ポートフォリオの変革を続けながら企業価値向上に努める。最終2025年度(2026年3月期)の目標は、売上高400億円、経常利益25億円、当期純利益16億円。

 2025年3月期の通期連結業績予想は、売上高360億円(前年同期比1.6%増)、営業利益23億円(同8.7%増)、経常利益25億円(同2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円(同13.0%増)を見込む。年間配当金予想は、中間配当5円、期末配当9円の計14円。