JFEサンソセンター福山工場に大型空気分離装置とクリプトン・キセノン製造装置を竣工 

大陽日酸とJFEスチールの合弁会社

 大陽日酸とJFEスチールの合弁会社であるJFEサンソセンター(上原正弘 社長)福山工場は、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)構内に酸素・窒素・アルゴンガスを製造する大型空気分離装置の設置工事を行い、2024 年3月 31 日に竣工した。空気分離装置の生産能力は、酸素ガス 48,000 Nm3/h、窒素ガス 82,000 Nm3/h、液化アルゴン 1,580 Nm3/h。

 JFEサンソセンター福山工場は、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)へパイピングにより産業ガスを供給するとともに、大陽日酸の顧客へ窒素ガス、液化ガスを供給している。今回、同製鉄所への酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガスの安定供給と、大陽日酸への高品質製品の供給を図るため、省エネルギー型の最新鋭大型空気分離装置を完成させた。装置の設計・施工は、大陽日酸が担当。

JFEサンソセンター福山工場の大型空気分離装置
完成した空気分離装置

 また、安定的なレアガス供給のため国内生産を増強し、サプライチェーンを強靭化することを目的として、完成した大型空気分離装置の副産物として製造されるレアガスのクリプトンとキセノン製造装置も新たに設置、2024 年4月 30 日に竣工した。レアガス製造装置の生産能力は、クリプトン 2,600千L/年、キセノン 210千L/年。

 レアガス(クリプトン・キセノン)は大型空気分離装置において、酸素・窒素・アルゴン製造時の副産物として採取されるため、大型空気分離装置の少ない日本では大半を輸入に頼っている。需要面では主にエレクトロニクス・照明・宇宙・省エネルギー分野等で利用されており、近年、世界的に需要が増加する一方、供給は地政学リスクを受けやすいのが現状だった。また、日本国政府としてもこれらレアガスを半導体製造プロセス用ガスと認識し、安定供給確保のための国内の生産関連設備等の整備を行う企業に対して補助を行うことを決定している。

 この装置は、「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業補助金」を活用し、大陽日酸が設計・施工を担当した。

完成したレアガス製造装置
完成したレアガス製造装置

株式会社JFE サンソセンター概要

  • 所在地 :(本社、福山工場)広島県福山市鋼管町1番地。(倉敷工場)岡山県倉敷市水島川崎通1丁目
  • 設立:1996年4月1日
  • 資本金:90百万円
  • 出資比率:大陽日酸(株)60 %、JFEスチール(株)40%