岩谷産業とサイフューズ、液体窒素による3D細胞製品の凍結技術を開発

2020年から業務資本提携、再生・細胞医療分野における共創

 岩谷産業と株式会社サイフューズ(本社:東京都港区、秋枝 静香 代表取締役、以下「サイフューズ」)は、サイフューズが有するバイオ3Dプリンティング等の基盤技術に、岩谷産業が産業ガス事業で培ってきた液体窒素を利用した凍結技術を活用することで、3D細胞製品への実用化が期待できる新たな凍結技術を開発した。

 液体窒素を利用した立体的な細胞構造体(3D細胞)の凍結を可能とする本技術が実用化されることにより、今後の3D細胞製品の製造や保管の選択肢を大きく拡げる可能性が期待される(※1)

岩谷産業「液体窒素 凍結保存容器」
サイフューズ「バイオ 3D プリンタ」

 両社は、再生・細胞医療分野における再生医療等製品の実用化に向けて、2020年より業務資本提携に基づき、3D細胞製品の凍結技術について共同で研究開発を進めてきた。

 本凍結技術の開発成果は、サイフューズが開発を進める3D細胞製品や細胞構造体の大型化に向けた凍結保存技術への応用が見込める可能性がある。これらが実現することで、よりスムーズな製品提供へとつながり、本分野のサプライチェーンのさらなる拡充と拡大する再生医療市場へ貢献することが見込まれる。

(※1)本新技術は、2024年3月に開催された「第 23 回日本再生医療学会総会」において、岩谷産業及びサイフューズ両社によるポスター展示により開発成果を発表し、実用化に向けた共同技術開発を進めている。

株式会社サイフューズについて

 細胞のみで様々な立体造形を可能とする独自のバイオ3Dプリンティング技術を活用し、再生医療等製品を新たな治療法の選択肢として実用化するための開発を進める再生医療ベンチャー。現在、サイフューズのバイオ3Dプリンタを用いた再生医療技術の開発は、患者への移植を内容とする臨床開発の段階まで進んでおり、直近では世界で初めてとなる治験に成功するなど、成長拡大市場である本分野の事業基盤(サプライチェーン)の整備・確立へ向けた取り組みが進んでいる。
 詳細は「三次元神経導管の開発成果に関する三者プレスリリース」から。

岩谷産業株式会社について

 酸素、窒素、水素などの産業ガス・医療ガスの製造・供給や、低温技術によるガス利用の提案を通じて、産業の基幹インフラを支えるガス&エネルギー企業。産業化が進行する再生・細胞医療分野では、これらの知見を活かし、細胞培養・保管に使用する液化窒素や炭酸ガス、細胞保管・輸送容器の供給を行うだけでなく、中央研究所の「バイオ・再生医療研究開発拠点」にて技術蓄積を進め、細胞コールドチェーンにおける事業拡大を進めている。
 詳細は「再生医療の産業化に向けた取り組み(イワタニレポート)」から。